先週紹介したインジェクタからの燃料漏れの車が入庫した翌日、チェックランプが点灯するという平成12年式クラウン(JZS175、2JZ)が入庫。
ダイアグでコードP0172(B1リッチ異常)、コードP0175(B2リッチ異常)を表示。
データモニタでA/F補正を確認すると、-25%をオーバーしていた。
CO、HCを測定するとCOが0.5%、HCが200ppm。
O2センサーの信号は出力されており空燃比フィードバックも行われていた
これらのことから実際に濃いと判断。
しかし、補正によってぎりぎりCO、HCがあまり出ていないようだった。
このエンジンはD-4エンジンなので、前回のウイッシュ同様、筒内噴射エンジンである。
やはりインジェクタからの漏れと高圧ポンプからの燃料漏れが疑われる。
プラグを外すのが面倒なのでとりあえずスロットル側から排気ガステスタのプローブを差し込み測定。
結果、700ppmとたぶん問題ないだろうと思われる数値。
次に、オイルフィラーキャップを外して測定。
すると、7600ppmと明らかに異常値。
オイルフィラーキャップから測定して、HCがこんなに多いのは高圧ポンプからの燃料漏れが考えられる。
(何かの要因で濃い状態がかなり続くと、ブローバイガスに含まれた燃料によりエンジンオイル内にオイル成分が混じり、HCが多く出る可能性もあるので、必ずしも高圧ポンプからも漏れとは100%断定できない。)
高圧ポンプ以外の可能性もあることを説明し、高圧ポンプとエンジンオイルを交換してもらうようにした。
直噴エンジンの高圧ポンプからの燃料漏れは、トヨタ、日産、スズキで数台経験済みである。