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Channel: 自動車整備士駆け込み寺 喝っ!
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P0171/スイフト②

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P0171(リーン異常)を表示するスイフト。

ブレーキブースタのバキュームホースをホース用プライヤでつまむと、エンジン回転に明らかな変化があった。
 
補正値をみると+15%前後だったものがほぼ0%になっていた。
というか逆にマイナス側になっていた。
 
吸気管の圧力を調べると、ホースをつまんでいない時が38~39kPa、ホースとつまむと36~37kPaと若干変化があるもののエア吸いとは特定できるほどではなかった。

しかし、データーからはエア吸いには間違いない。
 
エア吸いがあればブレーキペダルが重たいのでゃないかと思い、運転席に乗り込みブレーキペダルを踏んだが、若干重たい気もするが確実に異常とは判断できなかった。
 
ブレーキペダルを踏んだままエンジンを止めて、ブレーキブースタの簡易点検を行ってみた。
 
エンジンを止めた瞬間、思わず笑ってしまった。
 
正常であれば、踏んだままの位置を保持しなければならないのに、止めた瞬間、ブレーキペダルがすごい勢いで上がってきたのである。
 
今までに何度もこの簡易点検を行ってきたがこんなことは初めてである。

明らかに異常である。
 
 
エアを吸っているとなるとエアバルブの密着不良等が考えられるので、エンジンをかけたまま室内のオペレーティングロッド部にパーツクリーナーを吹きかけてみた。
 
しかし、O2センサーに反応がない。
 
まさかエンジンルーム側で吸っているはずはないと思いながらも確認すると、パーツクリーナーをマスターシリンダの付け根に吹き付けた瞬間エンストした。
 
 
再始動しもう一度少しだけ吹き付けるとO2センサーは1V側に張り付いた。

まさかのマスターシリンダ側からのエア吸いであった。
 
何度か試すと、正確にはマスターシリンダの下部からのエア吸いであることがわかった。
 
しかし、マスターシリンダ側からエアを吸うなんてことがあるの?
 
昔のように分解できるブースタであればその可能性もなくはないが、それでもエアを吸うとなると外周部であって、マスタシリンダ部からのエア吸いとなると、溶接部の亀裂くらいしか思いつかない。
 
 
ただこの部分からのエア吸いには間違いないので分解することにした。
 
マスタシリンダを外すと、エア吸いの原因がはっきりした。
 
マスタシリンダとブースタ間にゴムパッキン(ロッドシール)がありそれがちぎれていたのである。

こんなところにパッキンがあるのは初めてみた。
(今はこれが普通?)

イメージ 1

 
注文した部品をみると形状が変わっており、部品を交換すると補正値と学習値を合わせたものは1桁となった。
 
交換するときに思ったのだが、マスタシリンダの取付ナットを締め付ける時、ある程度まではマスタシリンダとブースタ間にすき間がある。

ナットの締め付けに手ごたえがでてもまだすき間がある。
 
ということは締め付ければ締め付けるほどパッキンがつぶれることになる。
 
トルク管理が必要なので調べると15N・mだった。
 
規定値で締め付けるとすき間はなくなったが、まだ締め付けられそうな気配だった。
 
なにも考えなえれば締め付け過ぎる人もいそうである。
 
なぜ、このパッキンが破れたのであろうか?
 
 
年式的にはマスタシリンダのインナーキットは交換する年式ではないが、走行キロが約20万キロである。

もしかしたら交換しているかもしれないが、その時にこのパッキンを再使用したか、もしくは締め付け過ぎたことが原因かもしれない。(当然、再使用不可部品)
 
それに、そもそもこのパッキン部分にはブレーキを踏むたびに力がかかるのではないかと思われる。

コストダウンになるのかは不明だが、あまりほめられた構造ではない気がする。
 

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