始動直後、チェックエンジンランプが点灯するという平成18年式ステラ(RN1、EN07)
同業者からの相談で、その工場が所有しているスキャンツール(日立:HDM-3000、ランチテック:X431)でダイアグを調べたが正常コードしか表示されないというもの。
通常、チェックランプが点灯して異常コードを表示しない可能性は2つ考えられる。
1つはエンジン回転が低すぎる場合。
これは、実際にはエンストしていないのにある回転を下回るとエンジンが誤ってエンジン停止と判断し点灯するというもの。
しかし、今回は明らかに回転は正常だしデータモニタの回転数も問題なかった。
もう1つはECU系統(ECU本体、電源、アース)に異常がある場合である。
しかし、電源やアースに異常があれば通信自体が出来ないしエンジンも正常にはかからなはず。
よって、今回は可能性としてはECU本体ということになる。
ただ、今まで多くのECU不良の車を見てきたが、どうもECU不良とは思えない。
持ってきた車に当社のスキャンツール数台を試してみたが、はやり正常コードしか表示しない。
ECU不良とは思えないが、メーカー純正のスキャンツールでも異常コードが出なければECUを交換するしかないなと思いながら、ふと、グローバルOBDで試してみようと思った。
日立製HDM-3000の場合、メーカー名の中にグローバルOBDという項目があり、世界中の車のダイアグノーシスとデーターモニタが点検できるのである。
ただし、点検できない車もあるし、点検できてもデーターモニタはOBD規制で決められた少ない項目しか見られない。
多分、正常コードしか出ないだろうと思いながら点検すると、予想に反してコードP0037(O2センサーヒーター制御系統異常電圧Lo B1S2)を表示した。
点検するとリヤO2センサーヒーターが断線していた。
部品を交換して異常コードの消去を行うとチェックランプは点灯しなくなった。
1桁目が0から始まるPコードは世界共通のトラブルコードである。
もちろん修理書のコード一覧表にもコードP0037の記載はあった。
当然、純正のスキャンツールでは異常コードの表示はしたはず。。
なのになぜ汎用スキャンツールではスバルから調べると正常コードを表示し、グローバルOBDから調べると異常コードを表示したのであろうか?
外車などでは、汎用のスキャンツールではメーカー独自のコード表示をしないために、ランプが点灯してもコード表示しないことはあったが、P0037を出さないのはおかしいと思う。
理由はわからないが、チェックランプが点灯して異常コードを表示しない場合は、グローバルOBDで調べてみるのも一つの手である。