暖機後、50~60km/hで走行中、ミスが発生しエンジン回転が500回転ほど下がるという平成16年式バモス(HM2、E07Z)
試乗すると、確かにミスはが発生しタコメータの回転は500回転前後低下する。
しかし、体感ではプラグやIGコイル不良時の単純なミスである。
とても500回転も低下しているとは思えない。
なのに実際の回転より多く下がるという事は、回転信号の元であるクランク角センサーが怪しい。
工場に戻り、オシロスコープをセットしようと思ったが、クランク角センサーであれば、走行しなくても発生するのではないかと思い、停車状態で試してみた。
すると、エンジン回転を上げていくと4600回転近くまで来るといきなり4000回転近くまで低下した。
最後の方では5000回転から4000回転まで低下した。
(5000~5200回転間のハンチングは、燃料カットによるもので正常な作動です。)
クランク角センサーの波形を調べると、アイドリングでは、波形のパターンは長点灯2回‐短点灯2回の繰り返しであった。
(上の波形はクランク角センサー、下の波形はインジェクタの駆動波形)
それが回転を上げていくと短点灯の歯抜けがあり、その後のインジェクタの駆動が間引かれていた。
当然、点火信号も同様と思われる。
後の方の短点灯が抜けている
先の方の短点灯が抜けている
クランク角センサーの不良である。
このエンジンでは、症状は違うがクランク角センサーの不良は多々あるが、こんな症状は初めてである。
クランク角センサーを注文し、交換したのだが、この車は県内で最も雪の降る地域の人で、塩カリのせいかかなりの錆が出ている。
うまく交換できればよいがと思ったが、予想通り。(^_^;)
センサーを外すことができずに、結局、エンジンマウントなども外す羽目になった。
試乗5分、診断10分、クランク角センサーの交換2分で終了。
となるはずが、クランク角センサーの交換に1時間近くかかってしまった。(^_^.)
たったこれだけの部品を交換するのに一苦労。
雪国の方で錆が当たり前の工場の方の苦労は計り知れないであろうと痛感させられた。