低水温表示灯が点滅すると同時にタコメーターが0回転になるという平成19年式ムーブ(L175S、KF)
また、チェックエンジンランプやABS警告灯が点灯していることもあった。
まずはスキャンツールを使い各システムのダイアグを点検しようと思ったが、エンジンとの通信が出来なかった。
点検できたABSではC1238、C1239の車輪速センサー系のコードと、C1301(CAN通信異常)を記憶していた。
他ではエアバッグ、キーフリー、EPSは正常コードだった。
エンジンとの通信が出来ないので肝心なエンジンのダイアグが分からない。
試しにと思い手動でダイアグを点検すると、点検できコード86(ABS・ECUとの通信が出来ない)とコード87(メーターECUとの通信が出来ない)を表示。
どうもCAN通信系に異常がありそうだったので、まずはCANに使われている終端抵抗を点検することにした。
調べると、終端抵抗はエンジンECUとメーターECUに入っていることが分かったので調べたが、それぞれ約120kΩと問題なかった。
また、全てをつなげた状態でOBDコネクタ部で測定すると約60kΩであり、OBDコネクタ部やCAN通信線での断線もなかった。
こうなると、CANの通信線に問題があるのではなく、どれかのECUが悪いのではないかと思われた。
持っているスキャンツールでCANバス診断を行うことができたので調べてみると、ABS・ECUを認識していないことがわかった。
ABS・ECUが悪さをしているのかもしれないと思いABS・ECUコネクタを抜くと、エンジンとの通信もできるようになり、全ての不具合がなくなった。
ABE・ECUが全ての原因であった。
1つのECUの不良が、他のシステムにも様々な障害を与えるとは初めて知った事例であった。