エンジンがかからないミニキャブ。
火花は飛んでいてインジェクタも動いている。
おまけに圧縮は10kg/cm2近くあるという。
バルタイは何度も点検しており間違いないという。
しかし、点検後のトラブルであり、やはりバルタイが怪しい。
バルタイはマークでしか点検していないと思われるので、本当にクランクやカムシャフトがトップ位置に来ているかを確認すれば不具合箇所が見つかるのではないかと思った。
持ってきた日は点検する時間がなかったので、翌日に点検を開始。
クランキングすると、明らかに圧縮のない回り方。
本当に圧縮圧力があるのか?
やはりバルブタイミングがずれているのではないか?
まずは圧縮を点検することにした。
測定すると約9kg/cm2と若干低いが爆発しないほどではない。
ただ、低いのは間違いない。
しかし、入庫前まではエンジンはかかっていたのでピストン側での圧縮低下は考えられない。
となると原因は、バルタイかバルブクリアランスである。
バルタイについてはマークでの確認だけではなく、カムの向きも点検の必要があるのでヘッドカバーを外した。
この車はアジャストスクリューでバルブクリアランスを調整するタイプなので、とりあえず手で触って感覚でバルブクリアランスでも調べておこうとロッカーアームをみると・・・・・・・・
原因が判明。
というか大爆笑。
おわかりであろうか?
アジャストボルトは外れるほど緩まっている。
感覚的には全気筒ともバルブクリアランスが5mm以上である。
というか、ロックナットさえ締まっていないのである。
よくこれで圧縮圧力があったものである。
調べてはいないが、一般的にカムリフトは7~8mmくらいはあるのではないかと思われるが、バルブクリアランスが5mmであれば計算上では吸入もするし圧縮圧力があったもふしぎではないか。。。。
どういった理由でこうなっているのかはわからない。
全部のバルブを閉めた状態にしたいのか、もしくはどうせ調整するだろうからということであろうか。
今まで新品のシリンダヘッドASSYなんて交換したことがないのでわからないが、これが普通?
こうしておけばバルブが全閉になるので、組み付けも楽だし、バルブフェース部に異物がつかなくていいのかもしれない。
新品だから調整済みだろうという先入観があったのだろうが、あのクランキング音であれば最初に言って欲しいものである。
バルブクリアランスの調整でよくなったことは言うまでもない。