発進時に失速し、そのままエンストすることもあるという平成17年式bB((NCP31、1NZ)
試乗してみると、確かに停車状態から発進すると、1~2秒は加速するが、その後は失速。
アクセルペダルをそのままの状態にしておくと2~3秒後に良くなる。
しかし、アクセルペダルを踏み増しするとエンストすることもある。
再始動は問題なく、その後は調子よく走る。
感じとしては燃料不足のようだが、発進時だけに燃料不足になる原因としては絞り込みが難しい。
燃料不足が疑われたので、とりあえずは燃圧計とポンプへの通電状態が分かるようにサーキットテスタをセット。
同時に、スキャンツールは噴射時間とO2センサーの電圧もモニターすることにした。
エンジンを始動し燃圧計を見ると、アイドリングでは2.7~3㎏/cm2と若干低い感じがしたが安定はしていた。
しかし、レーシングすると、かなりの範囲で(2~3㎏/cm2)で変化する。
このエンジンはプレッシャーレギュレータは使っていないので、レーシングで燃圧が変化することはおかしい。
あとで資料を調べると、基準値は3.2~3.3kg/cm2だった。
ただ、レーシングすると2kg/cm2くらいまで低下するが、エンジンの調子には全く影響はなく走行も問題なかった。
しばらく試乗を行っていると、それまで3kg/cm2近くあった燃圧が2kg/cm2以下まで低下することがあり、停車時にその状態が続いている状態で発進すると、0.5㎏/cm2まで低下し失速した。
動画は燃圧が低下し失速後、少し上昇し加速している状態。
その時はエンストしなくて燃圧が復帰したが、何度か繰り返すうちにエンストも発生。
燃圧が低下している時のポンプへの通電状態は問題なく、燃料ポンプ自体の不良である。
燃料ポンプの不良なので、ポンプ、フィルタ、ストレーナーを交換すると、不具合は発生しなくなった。
なぜ、通常走行時には問題なく、アイドル時からの発進時だけに燃圧が低下するのかはわからないが、発進時だけに発生するトラブルの原因が燃料ポンプとは思いもしなかった。