走行すると、3000回転くらいから、エンジン前方より「シュー」っという音がするという、平成22年式のタント(L375S、KF-DET)
乗ってみると確かに音がする。
このエンジンはターボ車であり、この音と過給状態がリンクしているように思えたので、吸気系から漏れているのではないかと推定。
また、ターボの効きも少し悪いように感じるのだが、それも過給が漏れているせいかもしれない。
そこで、実際の過給圧を測定すると、0.4㎏/cm2くらいしか上がらない。
このことから過給漏れの可能性が更に高くなった。
問題はどこから漏れているかである。
吸気系からの漏れであれば、逆に過給が掛かっていないアイドル時にはエアを吸っているのではないかと思われた。
エアを吸っているのであれば、パーツクリーナを吹き付ければガスを吸ってO2センサーの電圧が上がるのではないかと考えた。
しかし、パーツクリーナを吸わせてもO2センサーの信号に変化はなかった。
本当にエアを吸っているのか、疑問に思えた。
そういえば、このエンジンはDジェトロなのでエア吸いであればアイドル回転が高くなるはず。
それが特に高いとは思えなかった。
また、点検結果からもエア吸いはなさそうだが、あの音といい過給圧と良い、過給圧は漏れているはず。
ターボ車は、走行しないと過給しないので、停車状態での漏れの箇所の特定は難しい。
どうしたものかと少し考えた。
この車はAT車なので、ストールテストをすれば3~4秒間だが過給するはず。
パーキングブレーキを作動させ、フートブレーキを踏み、Dレンジにしてアクセルペダルを踏み込んだ。
すると、エンジンルームから「シュー」という音が聞こえた。
同僚にその箇所を特定してもらうと、インテーク・マニホールドの一部から、音が聞こえ、同時にかなりの勢いで吹き出す圧を感じたようである。
インテーク・マニホールドを取り外して調べてみると、インマニの接合部から漏れていた。
(赤○の部分)
それから、黄○の部分だが、外して気が付いたが、ゴームホースの弾力が無く変形してつぶれかかっていた。
また、穴が開く可能性もあり、ここが原因のトラブルも起こっても不思議ではないような気がした。
では、なぜエアを吸わなかったのか?
推定であるが、この亀裂は圧力がかかった時に広がって漏れるのだが、負圧の時はすき間は無いのでエアは吸わないのではないかと思われる。
インマニが樹脂製になった時には、こういったトラブルが増えるのではないかと危惧していたが思ってたよりはトラブルはなかった。
しかし、今回は樹脂製のインマニであり、当然、起こるべきして起こったトラブルであった。
このトラブルは傾向的なトラブルになるような気がする。