グローランプが点灯しないという平成9年式キャラバン(KRGE24、TD27)が同業者から持ち込まれた。
また、グローリレーもONせずにグロープラグに通電が無いという。
グローランプ不灯とグローリレーが不作動という2つに関連する原因としては、グローアンプ(ENG C/U)系統が考えられる。
まずはENG C/Uの電源とアースを調べると、電源である「エンジンコントロール No2」ヒューズが切れていた。
交換すると瞬時に切れた。
どうもショートしているようだった。
ヒューズの負荷側とボデーアース間の抵抗を調べるとほぼ0Ωだった。
このヒューズの負荷である「ENG C/U」のコネクタや、見える範囲のアクチュエータの「EGRコントロールS/V」、「スロットルチャンバーS/V A」、「スロットルチャンバーS/V B」、「FICDソレノイド」のコネクタを抜いてみたが、ショートは変わらずだった。
室内やエンジンルーム内の見える範囲でハーネスをゆすってみたが抵抗値に変化はなかった。
こうなるとじっくり調べる必要があるので、途中で大きく切り分けて調べることにした。
ヒューズボックスから出たメインハーネス(青線)をたどっていき、エンジンルームハーネス(赤線)と接続しているコネクタを外してみた。
するとヒューズの負荷側とボデーアース間の抵抗が∞Ωになった。
ということはエンジンルームハーネス以降でショートしているということになる。
更にエンジンルームハーネスをたどると、シャシ側のハーネス(緑線)につながっていた。
メインハーネスとエンジンルームハーネスのコネクタを接続し、エンジンルームハーネスとシャシハーネスのコネクタを抜くと∞Ωになった。
ということはシャシハーネス部でのショートということになる。
「ENG C/U」ヒューズのシャシ側の負荷は「排気シャッターソレノイド」なので、車をリフトアップし、下回りのハーネスを調べると原因が判明。
熱により配線の被覆が溶けていた。
これによりショートしていたのである。
ただ、溶けた範囲が広いしボデーがかなりの範囲で黒く煤けている。
排気ガス漏れだろうとマフラーを見ると衝撃の光景が!!
排気漏れ修理と思われるが、なんと台所用品のアルミホイールを巻いていた残骸が残っていたのである。
たぶん、全体を覆っていたのではないかと思われるが、前方は排気漏れの勢いで無くなったのではないかと思われる。
ユーザーが自分で巻いたのかもしれないが、下手をすると車両火災になりかねない状況であった。
まさか整備工場がしたとは思いたくはないが。。。。
ショート箇所は不明だが、まずはハーネスの交換が必要であり、それによりショートも解消されると思われた。
なお、「排気シャッターソレノイド」は寒冷地仕様の車にしかないのだが、配線&コネクタは取り付けられているようだった。
ただ、コネクタ自体も熱によりかなり変形していた。