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バッテリを外しても消えないP2002/ハイエース

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ダイアグコードP2002DPD異常)が消えずに強制再生が出来ないという平成20年式ハイエース(KDH206V1KD
 
以前、デュロトでも紹介したが、このP2002はスキャンツールでは消去することが出来ない。
 
では、どうやって消去するのかというと、ECUのバックアップヒューズ、もしくはバッテリの端子を60秒以上外せばよい。
 
そのことを伝えたのだが、しばらくして「バッテリのターミナルを3分外しても消えない。」という電話があった。
 
そんなはずはないと思いながらも、いろいろと調べてみた。
 
すると、バックアップヒューズを抜く方法は、車が正常であれば問題ないが、何かの原因で他の回路からの電源が回り込んで消えない可能性があったり、バッテリの端子を外しても何かのバックアップコンデンサからの電源の供給の可能性もあるんじゃないのかという話もあった。
 
とは言うものの、どちらも可能性は低いと思ったが、他に手がないのでECUのコネクタを抜いてもらうようにした。
 
ECUのコネクタを抜けば他の回路からの回り込みやコンデンサからの供給も無いはず。
 
 
翌日確認すると、コードの消去はでき強制再生もできたとのこと。
 
 
ECUのコネクタを抜いたのかと聞くと、実は・・・・・・と笑い話。
 
 
実は、相談者の工場は県内でも最も寒い地域であり、時々寒冷地仕様の車があるらしい。
 
このハイエースも寒冷地仕様でありバッテリが並列に2個あることに気が付いたようである。
 
それを知らずに片方のバッテリ端子だけを外していたのである。
 
当然、もう一方のバッテリから電源が供給されているので消去できなかったわけである。
 
バッテリのターミナルを外すとその後の作業が大変なので、バックアップ用のヒューズを抜くように言っていたのだが、バッテリ側で行ったことにより、悩んだトラブルであった。

始動不能/古い車

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エンジン始動直後にアイドル不調になり、吹き上がりが悪いという昭和後期のEFI車が同業者から依頼された。

段々とひどくなったようである。
 
この車は、しばらく放置していたようでナンバーもなかった。
 
どうも燃料不足のようなので、燃圧計を取り付け点検すると、始動時は約2kgcm2あるが、徐々に低下しすぐに1kgcm2まで低下した。
 
燃料ポンプには通電されており、作動音も聞こえたが、その作動音がいやに甲高い。
 
ポンプの不良だろうと思いポンプを外すと、なんと、燃料がほとんど入ってなかった。
 
燃料が入っていたのは確認していたのに何故?
 
フューエルセンダゲージのフロートを点検すると、フロート位置に比例して抵抗値は変化するが、時々引っかかる感じがする。
 
サビも見られることから、長い間、放置していたせいでフロートが引っかかっていたのかもしれない。
 
ガソリンを入れると正常になった。
 
ただ単にガス欠であった。
 
古い車の燃料計は信じてはいけないと痛感させられた。

舵角センサー出力異常/N-BOX

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知人から聞いたトラブル事例。
 
事故修理後からVSAランプが点灯するようになったという平成26年式N-BOXJF1S07S

DTCを消去しても消去できないらしい。
 
ただし、納車するまでは正常で、ユーザーに渡した後から点灯するようになったとのこと。
 
調べるとダイアグコードは「27-21」(舵角センサー出力異常)を表示。

データーモニタで舵角センサーを調べると、ロック・ツー・ロックで-631°~663°で変化。

その間、信号は特に異常な変化をしたりすることもなかった。
 
デーラーの人に相談すると、デーラーでも同様のトラブルがあり舵角センサーも交換したがよくならなかったようだ。


結局、VSA学習をすることでよくなったとのこと。(学習はホンダ専用のスキャンツールが必要)
 
相談した人曰く、舵角センサーと左右の車輪速センサーで直進状態をモニターしているので、ステアリングの直進位置とタイヤの直進位置がマッチしないとこうなるのではないかとのこと。
 
よって、事故等でバックアップ電源を切っている状態で、ステアリング関係の部品の交換や脱着を行うと、それぞれの直進位置にズレが生じるのかもしれない。
 
よって、そのズレを学習させればいいのであろうか。
 
ちなみに、ほぼ新車のサービスカーの舵角センサーは-620°~620°だった。

吹き上がり不良/ティーダ

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発進時にアクセルペダルを踏んでも、思うように加速しないという平成16年式ティーダ(C11HR15
 
ただし、冷機時がひどく、暖気後は少しはよくなるという。
 
データーモニターでAFの補正値を調べると、20%以上増量していることが分かった。
 
症状からも燃料不足のようなので、燃圧やエアフロメータを調べたが問題なかった。
 
あとはインジェクタの詰りや先端の汚れが疑われたが、それよりも最も怪しいと思っていることがあった。
 
それは吸気系のデポジットである。
 
前に紹介した「吹き上がり不良/ノート」という事例とよく似ているのである。
 
というか、ノートよりひどい。
 
 
 
インジェクタの点検も同時に出来るので、吸気系の点検を行うことにした。
 
インマニを外すとかなり汚れていた。
 
スネークカメラで内部を確認すると、以前のノート以上の汚れが確認できた。
 
バルブやインテークポート、それとインジェクタの先端も綺麗にすると、見違えるような吹き上がりとなった。
 
前回のノートはかなり苦労したが、今回はスムーズな診断となった。
 
このトラブルはもっと多くなるのではないかと思っていたが、思ってたよりは入庫してこない。
(程度により不具合と感じていないのかもしれない。)
 
もしかしたら、乗り方やオイルメンテによってもデポジットの堆積具合が違うのかもしれない。
 
1つ気が付いたのだが、この車のエンジンオイルがかなり多く入っていた。
 
10年くらい前の多発トラブルで、GA系エンジンの1,2番インジェクタの詰りがあったが、その時には、そういたトラブル車のほとんどがエンジンオイルの入れ過ぎであった。
 
オイルを入れ過ぎると、クランクシャフトでかき混ぜられて飛び散ったオイルが、ブローバイガスに混じってインジェクタを汚すのではないかと思っていた。(ブローバイガスは1,2番間のインマニから吸われていた)
 
今回も、もしたしたら関係があるのではないかと感じた。
 
少ないと不安なので多く入れるのも分からないこともないが、オイルはH近くまで入っていればいいわけで、H以上入れないようにしてほしいものである。

始動不能/シーマ

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エンジン始動不能の平成10年式シーマ(FGY33VH41
また、メーター内の全てのランプも不灯という事で同業者から依頼があった。
 
エンジンのダイアグは電スロ系とイモビ系を表示。
 
クランキングすると、23回の初爆があるが完爆しない。
 
また、セキュリティインジケータランプも点滅していたことから、イモビが効いての始動不能のようだった。
 
この始動不能とメーターの不灯は同時に起こったという事で、原因は同じと思われる。
 
イモビの点検は難しいので、メーターの点検を行うことにした。
 
メーターの全てのランプが不灯という事なので、電源である「メーター」ヒューズを点検。

切れてはいなかったが、キーONで電源が来ていなかった。
 
このヒューズはIGNリレーから電源が供給されていたので、リレー部で点検することにした。
 
IGNリレーは運転席足元のリレーBOXにあったのだが、IGNリレーの手前にあるリレーのカバーだけが外れかかっていた。
 
よく見ると、リレーボックスのステー部が折れており、リレーボックス自体がかなり斜めに取りついていることに気が付いた。
 
 
とりあえず外れかかったリレーのカバーを差し込もうと作業をしていたら、突然、警告音がしだした。
 


半ドアの警告音である。
 

もしかしてと思いメーターを見ると各ランプが点灯している。
エンジンをかけると一発でかかった。
 
 
正常に戻ったのである。
 
 
その後はいくらしても不具合が出なくなってしまった。
 
不具合箇所の特定は出来ないままだったが、リレーの交換とリレーボックスの取付状態の修理はした方がよいと思われた。

ただ、リレーボックスはかなり無理な力がかかっている状態なので、一旦外すと元に戻らないような気がした。
 
今回は原因の究明までで良いという事なので、その後の修理は依頼者の工場に任せることにした。

吹き上がり不良/キャンター

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レーシングでも1500回転くらいからもたついて、1800回転以上に吹き上がらないという平成12年式キャンター(FE53EB、4M51



吹き上がらない状態では、灰色の煙を大量に吐いて排気臭もかなり異様であった



同業者からの依頼なのだが、実は依頼者の工場では昨年11月から預かっており、4か月が経過しようとしていたのである。
 
その間、2度ほどデーラーに預けて調べてもらって、様々な部品を交換したようだが、デーラーもお手上げということである。
 
どうにかしてほしいと頼まれたのだが、そんな車を持ってこられても困るんですが・・・・・と、断りたかったが、とりあえず話を聞くと、色々な部品を交換しており、特に、噴射ポンプとECUは交換しているので、何とかなるかもしれないと思い預かることにした。
 

これまでの作業内容は、わかっているだけでも、噴射ポンプ(リビルト品)、ECU(中古&新品)、ミッション(リビルト品)、クランク角センサー、燃料フィルタ、エアエレメント、燃料の交換と、かなりの部品を交換している。
 
また、インジェクションノズルはSS店にて点検済みで問題ないとのこと。
 
ジーゼル車の場合、ここまで交換すれば大体よくなるはずだか、全く変わらないという。


 
とりあえずスキャンツールで点検。
 
 
DTCコードの検出はなかった。
 
データモニタで各信号を調べると、「進角角度差」が10°CAというのが気になるが、それ以外には特に異常と思える項目はなかった。
 
「進角角度差」が10°CAということと、回転が上がらない時にはそんなにジーゼルノックもなく黒煙も出ないことから、噴射タイミングが遅いことが原因ではないかと思われた。
 
試しに、噴射タイミングを制御しているTCV(タイミング・コントロ-ル・バルブ)のコネクタを抜いてみた。
(コネクタを抜くと最大進角になる車が多い。)
 
その状態でレーシングすると吹き上がることが出来た。
もちろん進角し過ぎでジーゼルノックも黒煙もひどい。
 

これで噴射タイミングが遅いことが原因と推定された。
 
 
噴射タイミングを制御しているTCVの駆動波形をオシロスコープで調べると、不思議な波形が現れた。
 

イメージ 1
 
配線図等がないので回路がどうなっているのかわからないが、デンソー製の噴射ポンプでありTCV2本線。
 
端子電圧を調べた限りでは、TCVは単純に24V電源のアース側をECUがデューティ制御するタイプのようだった。
 
それなのに、アイドル時、アース側の波形は3V0.4Vで波形である。
 
おまけにアイドリング時なのに、ON(ほぼ0V)の割合が少ない。
 
回転を上げるとこのON状態はほぼなくなり3V一定となった。
 
 
 
このTCVの回路であれば、TCVON(ほぼ0V)の割合が多いほど遅角し、ONの割合が少ないほど進角する。

よって、通常であればアイドリング時なのでONの割合が多い波形にならないといけない。
 
それから考えると、この波形はアイドリング時なのにほぼMAX進角の割合である。
 
また、データーモニタの進角角度差が10°CAと噴射時期が遅れているということと、コネクタを抜いて進角させると調子よくなることからも、実際の噴射時期が遅いというのは間違いない。
 
ということは、実際の噴射時期が遅いので、ECUは進角させようとし、制御信号が進角状態の波形になっているのであろうか?
 
もし、そうであれば噴射時期の狂いはバルブタイミングが狂っているのか?!?!(インジェクションポンプの可能性もある)
 
 
 
いやいや、違う。
 
 
 
その前に、この波形には決定的におかしいところがある。
それの原因を見つけるのが先である。
 
つづく
 

吹き上がり不良/キャンター②

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吹き上がりが悪いというキャンター。
 
データーモニタや症状からは噴射時期が遅いと推定された。
それを裏付けるようにTCVの波形もONの割合が少ない進角させようとする信号だった。
 
イメージ 1
 
噴射時期が遅くなる原因はバルブタイミングの狂いかインジェクションポンプの不良である。
 
ただし、インジェクションポンプはリビルト品だが交換している。
 
また、インジェクションポンプの駆動がタイミングチェーン式なのかギヤ式なのかは不明だが狂うことは考えにくく、当然、デーラーでも調べていると思われる。
 
とは言ったものの、あくまでも推定の域を出ないので、他に原因が無ければこれらの確認が必要であるが、他に調べないといけない大事なことがあるので後回しにすることにした。
 
噴射時期が遅くなる要素は、バルタイやインジェクションポンプのトラブルといった機械的なものと、制御による誤作動に分けることできるが、今回は、その制御信号がどう見てもおかしいのである。
 
TCVの回路は次の通りであり電源側は24Vである。

イメージ 3
 
また、波形はTCVのアース側の波形なので、ECU内のトランジスタがOFFの場合は24Vにならないといけない。

それがOFF時(Hi)でも3Vの電圧である。
 
ということは、TCVには24V-3V=21Vの電圧がかかっていることになる。
 
21Vでも、当然、TCVは作動するはず。
 
もちろん、波形のLo0V)ではTCV24Vの電圧がかかっている。
 
よって、TCVのアース側が3V0Vで変化するということは、常時、ソレノイドは作動していることになる。
 
このTCVは作動すると遅角側になるので、この波形では最大遅角となり今回の不具合が出ても当然である。
 
波形がおかしいという事はECUの不良?
 
 
否!
 
 
確かにECUの可能性もあるが、中古と新品とそれぞれ交換しており、同じように悪いとは思えないし、こんな中途半端な壊れ方の可能性も低い。
 
ECUではないとすると、可能性としてはTCVのアース側がボデーアースとある抵抗を持った状態でショートしていることである。
 
 
それを確認するためにTCVECUのコネクタを抜き、TCVのハーネスのアース端子とボデーアース間で抵抗を調べてみた。
 
 
イメージ 2
 
ハーネスだけの状態なので、当然、∞Ωじゃないといけないのに、点検すると約2kΩの抵抗があった。
 
2kΩの抵抗で3Vになるのは計算では合わない(TCV30Ω前後?)が、ECU及びTCVのコネクタの両方を外しているのに∞Ωじゃなのは間違いなくおかしい。
 
その状態で、ハーネスをゆすると、抵抗値が大きく変化をした。
 
 
これでやっと原因の尻尾をつかむことが出来た。
 
 
 
つづく
 

吹き上がり不良/キャンタ③

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ECU及びTCVのコネクタの両方を外しているのに、この配線とボデーアース間が∞Ωじゃなのは間違いなくおかしい。

どこかでレアショートしているのだろうと思い、ハーネスをゆすってみた。

すると、左サイドフレーム内を通っているハーネスをゆすると大きく反応した。
 
大体の範囲が絞りこめたので、その近辺を調べたがハーネスがこすれたような形跡はなかった。

こうなるとハーネス内でのショートも疑わないといけない。
 
TCVから60cmくらいのワイヤーハーネスのテーピングをはぐことができたのではいで、TCVの配線を調べたが特に異常は見つからなかった。
 
 
イメージ 1

 
そこより先端はハーネスが分岐している部分で、テーピングを取るためには各部を外してハーネス自体を浮き上がらせなければならない。
 
しかし、その作業をするには、かなりの作業量が予想された。
 
 
どうしようかと悩んでいるうちに、ショートが無くなってしまったのである。
 
その状態でエンジンをかけてレーシングすると正常に戻っていた。
 
やはり、原因はTCVの配線のショートに間違いなかった。
 
となれば、ショート箇所を特定しなくても、バイパスの配線を引き直せばいいだろうという事になり、どの部分で接続しようかと考えた。
 
見ると、室内ハーネスとエンジンハーネスを接続するジャンクションボックスみたいなものがあったので、そこで行うことにした。
 
 
イメージ 2
 
 
作業するのに邪魔なのでダクト類を外すと、ダクトの下のワイヤーハーネスのテーピングにこすれている個所を発見。
 
もしかしてここが原因か?と思ったが、よく見ると配線には全く影響はない状態だった。
 
この部分のハーネスはフレームの上にあり、おまけにハーネスの上にダクトがある。
よって、振動やダクトとの接触でテーピングだけがこすれてはげたようだ。
 
もしかして、ハーネスの裏にもストレスがかかっているのではないかと、ハーネスを持ち上げ鏡で調べてみた。(2cmほどしか持ちあがらない)
 
すると、フレームにこすれたような跡があり、ハーネスをテーピングしている黒いテープの中にTCVのアース側である黄/赤線だけがすけて見えた。

イメージ 3
 
よーく見ると、その黄/赤線の被服が無くなって銅線が見えているような気もする。
 
サーキットテスタで調べると、やはり被服がはげており導通があった。
 
この部分でボデーとショートしていたようである。
 
 
イメージ 4
 
 
この部分から先は、あちこちの分岐しており、それぞれで固定してるので、かなりきつくてハーネスを持ち上げることが出来ないし、すけて見えていた配線が1本だけだったのでハーネスの下にタイヤチューブを敷き込んで、ハーネスごとゴムチューブで巻けば問題ないだろうと思い、ゴムチューブを巻くことにした。
 
 
その後、不具合は出なくなった。
 
 
 
デーラーの人にもこれまでの作業状況などを聞いていたので結果報告をすると、「まさかそんなことが・・・・・」と驚いていた。
 
 
今回、幸運だったのは、ショートしたのがTCVのアース側だったことである。
 
これが電源側で時々ヒューズが切れてエンストなんてトラブルだったら、何日かかったか想像もできない。
 
サイドメンバーを通っているワイヤーハーネスはテーピングの外にジャバラのカバーがあったが、ショートしていた箇所にはテーピングのみだった。
ハーネスの分岐部でカバーは難しいと思うが、樹脂製の板状の物でもあれば、こんなトラブルは起こらなかったのではないかと思われる。

イメージ 5

エアコン効かない/ティーダ

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エアコンが効かない平成21年式ティーダ(C11HR15

 

調べるとエアコンヒューズが切れていた。

 

明らかにショートによるものなので、可能性の高いマグネットクラッチの電流を測定すると、時々10Aを超えていた。

 

単体点検をすると、1Ω前後で安定しない。

 

 

明らかにおかしい。

 

 

マグネットクラッチのコイルのレアショートと思われる。

 

 

単体部品の設定があったので交換。

 

 

ちなみにレジスタ不良によるブロアヒューズ切れもあるみたいだ。

 

 

どちらも多発傾向?

 

メーター異常/ザッツ

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電気負荷をかけると燃料計、タコメーター、オドメーターが一瞬だけOFF状態になり、オーディオもシャットダウンしてしまう平成17年式ザッツ(JD1E07Z
 
また、パワーウィンドやワイパーも動きが非常に遅く車全体がおかしい。
 
通常、こういったトラブルはアース不良かコネクタの差し間違いというのが一般的である。
 
症状を確認すると、エンジンをかけた直後は正常。
しかし、エンジン回転中、ライトを点灯させると、少しの間があって、燃料計、タコメーターがOFF状態になる。

また、オドメーターは一瞬消え、EPS警告灯は逆に一瞬だけ点灯。
 
そしてその後は、すべてが正常に戻る。
 
パッシングすると、瞬時に上記と同じ状態になる。
 
 
 
つまり、電気負荷をかけることで、一瞬だけキーOFFにような状態になる。

しかし、ブレーキ警告灯などは消えないことより、実際にキーOFFになっているわけではなさそうである。
 
また、パワーウィンドを作動させると、通常、3秒もあれば全閉から全開まで動くのに、10秒くらいかかった。
 

まずはバッテリの電圧から点検しようと思い、ボンネットを開けた。
 
バッテリを見ると、明らかに新しい。
 
次の瞬間、思わず吹き出してしまった。
 
 衝撃の写真!!(笑)

イメージ 2


 
イメージ 1
 
 
なんと、ボデーアースが取れていないのである。
 
それも接触不良というものではなく、ハーネスが届かないので取り付けボルトを外しているのである。
 
取り付けられているバッテリには40B23Lで、表面のラベルには「○○オート」と中古車屋の名前が書かれていた。
 
本来は、40B23Rじゃないといけないのに、Lのバッテリを付けたものだから、ハーネスが届かなくなりボデーアースのボルトを外したのである。
 
シャシ系の電装は、バッテリのボデーアースは取れていなかったが、何かの要因で不完全であるがアースが取れており、電気負荷がかかることで、アース電位が更に持ち上がり様々な不具合が出たようである。
 
エンジンアースは取れているので、エンジンの始動には問題なかったようである。
 
 
誰がどのような経緯でバッテリを交換したのかわからないが、中古車屋の人が行ったのではないかと思われる。中途半端な素人は手を出さないでもらいたいものである。

吹き上がり不良/ファンカーゴ

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発進時や加速時に息つきを起こすという平成12年式ファンカーゴ(NCP202NZ
 
過去の事例から怪しいと疑われる吸入空気量を調べると、3000回転で5.51gsしかなく、AF補正値は+20%とMAX状態だった。
(正常なものは6.2gs以上はある。)


イメージ 1
 
 
ストールテスト状態(アクセル開度78%=全開)で吸入空気量とO2センサーの信号を調べると、吸入空気量は12.78gsO2センサーはずっとリーンのままだった。
 
イメージ 2


どう見ても薄い。
 
エアフロメータ―を交換すると、3000回転で6.29gsになり、ストール状態ではずっとリッチ状態になった。

(ストールテスト状態の吸入空気量も12.78から22.96gsになった。)
 
イメージ 3

イメージ 4


もちろん症状もなくなり正常となった。
 

以前、多発トラブルベスト10といういうシリーズで記事を書いたが、このトヨタのエアフロは2位だった。


あれから10年たったが、いまだにこのトラブルが起こることに驚く。

「A/T TEMP」ランプが点滅-消灯

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知人から聞いたトラブル事例。
 
「AT TEMP」ランプが点滅-消灯-点滅を繰り返すという、平成22年式エクシーガ(YA4EJ204
 
バッテリが上がっていた車で、中古車屋からの依頼。
 
調べてみると、どういった時にこうなるかは不明だが、ATの学習未実施のときのこういった表示パターンになるらしい。
 
デーラーで学習してもらったらよくなったとのこと。
 
なお、単純に点滅を繰り返すのであれば、ATFの油温に問題があり、点滅に加えてショック大やギクシャクした走行であればタービン回転センサーの不良という情報もあるとのこと

エンジン不調/VW Rialte

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暖機後、アクセルペダルに対するレスポンスが悪くなり、エンストすることもあるという平成7年式のキャンピングカー(VW Rialte)。
 
冷機時はそうでもないらしい。
 
 
同業者からの依頼なのだが、並行輸入車でキャンピングカーなんて、どれだけ非効率で大変な作業になるかわからないので、断りたかったのだが受けてしまった。
 
まず、症状の確認をすると、アイドリングは問題ないのだが、アクセルペダルを踏むと、回転が全く付いてこない。
 
それどころか、そのままエンストすることもある。
 
どうも燃料不足のような気がした。
 
ただし、エンストせずに回転が徐々に上がってくると、その回転数では問題なく回っている。
 
しかし、アクセルペダルを離すと、エンジン回転は大きく落ち込みエンストしそうになったり、実際、エンストすることもある。
 
その時は、かなりガソリン臭い。
 
 
 
どうも燃料系がおかしいような気がする。
 
 
ただし、一定回転では正常、アクセルペダルを踏むと燃料不足、アクセルペダルを離すとオーバーリッチと、わけのわからない症状である。
 
燃料系で最も影響を与えるのは吸入空気量を検出するエアフロメータまたはバキュームセンサーである。
 
しかし、探したがどちらも見当たらない。
 
エアフロメータは間違いなくないのでバキュームセンサーを使ったDジェトロと思われた。
 
そういえば、外車ではバキュームセンサーがECUに内蔵されているものがあったことを思い出した。
 
ということで各バキュームホースをたどっていくと、1本だけECUらしきものにつながっていることが確認された。
 
ECU内蔵であればバキュームセンサーの点検は出来ないので、バキュームだけの点検を行うことにした。
 
バキュームホースの途中に3ウェイがあり、プレッシャーレギュレータに分岐していたので、その部分にバキューゲージをつないだ。
 
 
アクセルペダルと負圧の状態を観察すると、明らかに負圧の変化が遅い。
アクセルペダルに連動しないのである。
どこかで詰まっているのではないかと思われた。
 
 
もし詰りであれば、アクセルペダルを踏んだ時は、負圧が大きいままなので燃料不足、アクセルを離すとすぐに本来の負圧にならないのでオーバーリッチ、一定回転を保っていれば、そのうちに本来の負圧になり正常回転を保てる。
 
この仮定通りであれば、アクセル操作とその時の症状も納得できる。
 
そうこうしているうちに、アイドリングでも不調になってきた。
バキュームゲージを見ると、-200Hgのまま変化しない。
完全に詰まっている。
 
バキュームホースを外して点検すると、全ての謎が解けた。
 
3ウェイ部バキュームホースがかなりふやけており、指でつまむとつぶれたまま元の状態に戻らないのである。
 
イメージ 1

 
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バキュームホースを交換すると正常になった。
 
 
どうなることかと心配だったが、短時間で修理を終えることができ一安心である。
 
小型車しか扱わない当社で、車幅が250cmもある車なんて迷惑でしかないのである。(^_^.)

ターボ効かない(P0299)/キャラバン

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チェックランプが点灯しターボが効かなくなるという平成20年式キャラバン(VWME25ZD30
 
ダイアグノーシスを点検すると、P0299(ターボチャージャ過給圧異常)を表示。
 
過給圧を点検するゲージをセットし走行すると、過給圧は上がっており体感でもターボは効いた。

特に問題はないと思われたが、しばらくするとチェックランプが点灯。
 
すると走りは鈍くなった。
 
なんらかのフェイルが働いているようだ。
 
エンジンを止めて再スタートすると、問題なく走行できる。
 
ターボも効いているようだった。
 
過給圧が正常値でターボも効いている。
なのに過給圧異常を表示する。
 
ということは、過給圧を検出するターボプレッシャーセンサーの不良か、それに接続しているバキュームホースに原因があると考えられる。
 
ターボプレッシャーセンサー部を点検すると原因が判明。
 
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バキュームホースが破損していた。
 
ホースの長さに余裕がないのと角度が付き過ぎなので、レイアウトを変えて、ホースに余裕を持たせて完了。

変速不良

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変速ショックや変速不良になるという自動車。
知人からの情報提供なのだが、ちょっと問題があるので詳細は省略。
 
このメーカーのATには、色々なトラブルがあるので調べると、同じ不具合での改善対策が出ておりフレームNoも対象内だった。
 
デーラーに確認すると、確かに対象だがその改善対策は実施済みという。

助手席側のドアヒンジ部を確認すると、確かに実施対策済みのペイントがされていた。
 
 
改善対策の内容は、バルブボデー内のストッパプラグの材質が不適切なため、高速走行や登坂走行等の高油温時の変速動作により、当該ストッパプラグが破損することがあるというものである。
 
修理としては、バルブボデーを点検し、ストッパプラグが破損している場合は、バルブボデーを対策品と交換し、もし、ストッパプラグが対策前品で破損していない場合は、対策ブラケットを追加するというものである。
 
つまり、壊れていれば交換だが、壊れてなければ、万一、ストッパプラグが破損してもプラグが飛び出さないようにステーで抑えるというもの。

(壊れる可能性の部品が付いているのに交換しなくていいの?)

万一、ストッパプラグが破損しても、ステーで抑えているので支障はないという事であろうが、気持ちの問題としては嫌である。
 
コストの問題であろうが・・・・
 
このような改善対策なのだが、本当に実施済みなのか?
 
ストッパプラグは飛び出ていないのかを確認するためオイルパンを外してみたそうである。
 
すると、ストッパプラグが欠けていたのである。
 
 
イメージ 1
                                                                                                                                                         
改善対策では、ストッパプラグが欠けても追加したステーがストッパ代わりになって、抜け出ないようにしているはずなのである。
 
改善対策は実施済みというがステーが取り付けられていないのではないかと確認すると、ちゃんと取り付けられていた。
 



しかし、ステーがない方のストッパプラグが抜け落ちていた・・・・・・・・
 
 
「???」
 
 


「!!!!!」





 
「やっちまったな・・・・」
 
 
ステーを外して、上下を逆さまに組み付けると、ステーの折れ曲がった箇所が、抜け出たほうのストッパプラグを押さえる位置になった。
 
これで謎は解けた。
 
 
確かに改善対策は実施している。
 
しかし、改善対策時に、上下を間違って組み付けたようである。

イメージ 2

 
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デーラーの人にこのことを話し、現車も確認してもらったところ、新品のコントロールボデーを無償で持ってきたそうである。
 
※この記事に関してのコメントにはメーカー名を入れないでください。

アイドル不調/レガシー

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低回転域が不調の平成15年式レガシー(BP5、EJ20
 
2000回転を超えれば問題ないという。
 
症状を確認すると特定シリンダの失火のようなのでパワーバランステストを行うと、1番と3番シリンダがミスしていた。
 
右バンクの2つのシリンダがミスなので、もしやと思いデーターモニタでVVTに関する項目を調べると、左バンクのOCVデューティ比は36%、OCV電流は500A、進角度は3度とほとんど問題ない数値だった。
 
しかし、ミスしていた問題の右バンクのデューティ比は0%、OCV電流は0A、進角度は47度と明らかにおかしい。
 
ちなみにダイアグノーシスは正常コード。
 
このOCVというのはご存知のようにVVTアクチュエータを作動させる油路・油圧を切り替えるものだが、OCVデューティ比は0%で最遅側、100%で進角側、30数%で保持位置になるようである。
 
OCV電流は0Aで遅角側、大きくなるにつれて保持になり更に大きくなると進角側へとプランジャは動くようである。
 
※実際にOCVデューティ比が100%までになるかはわからない。
 
OCVデューティ比は、OCVの印加電圧の割合だが、ほぼOCV内のプランジャーの位置と同じと考えてもよいと思う。
 
通常、アイドリング時はVVTは最遅角状態なので、OCVは遅角側のOCVデューティ比0%、OCV電流は0Aという気がするのだが、今までに調べた多くのメーカーはアイドリング時にはOCVは保持状態になっているようだった。
 
 
もちろん、エンジン始動時にはVVTアクチュエータは機械的に最遅角状態になっているので、最遅角状態で保持するようにOCVはなっているのである。
 
なぜ、アイドリング時にOCVは遅角側ではなく保持状態なのかわからないが、もしかすると、アイドリング時に遅角側にしておくと、進角させるためにOCVに電流を流すと、プランジャーは一旦、保持位置になってから進角側へと移動する。
コンマ数秒の違いかもしれないが作動遅れが起こる。
 
それに、全く電流を流していない状態から電流を探すと作動遅れが起こるような気もする。
 
よって、保持状態にしておくことによって、作動遅れも少なくなるのではないだろうか。
 
 
この理由はさておき、左バンクは進角度3度なのでほぼ問題ない。
よって、OCVデューティ比は36%で500Aの電流を流して、最遅角位置で保持状態にしている。
 
右バンクはというと、進角度はほぼ0度じゃないといけないのに47度と進角している。
 
よって、遅角させようとOCVデューティ比を0%(=電流は0A)に制御している。(遅角側MAX
 
 
それでも進角しているという事は、機械的な不具合と考えられる。
 
OCVを外してみると、明らかにプランジャーが出ている。
 
イメージ 1
 
 
反対側をよく見ると、異物が挟まっているように見える。
 
 
 
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異物を取り出すと、プランジャーは最遅角側に戻った。
 

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異物はプラスチック製品だったので他にもあると思い、OCVの取り付け部を覗くとやはり残っていた。
 
 
取り出してみると、どうもフィルタのようだった。
 
 
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金属製と思われるメッシュ状のフィルタは、あまりにも目が細かいために詰まってきて破壊されたのではないかと思われる。
 
OCVを保護するためのフィルタがOCVを誤作動させるとは皮肉である。
 
スバルでは、R2などの軽自動車でも同様のことが起こっているが、不思議な症状を引き起こし、初めての人はかなり苦労すると思われる。(いつか記事にする予定)
 
見える範囲の異物を取り除きOCVを付けると、エンジンの調子も良くなり、OCVデューティ比、OCV電流、進角度とも左右差が無くなった。

エアバッグ警告灯点灯

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宿題コーナー第44弾(レベル6

SRS警告灯が点灯するというワゴンRです。

回路は次の通りで、一般的なものです。

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まずはダイアグノーシスを調べるとコードB1042でした。(現在故障)

このB1042というのは「運転席シートベルトプリテンショナ回路の抵抗が低い」というものです。

そこでシートベルトプリテンショナのコネクタを外し、ハーネス側で線間ショート及び地絡(アースとのショート)を点検しましたが、ショートはありませんでした。

たぶんシートベルトプリテンショナの不良だろうということになり新品と交換しました。

しかし、症状は変わらずです。

こうなるとエアバッグコントローラ(ECU)の不良しかないということで交換しました。

これで良くなったはずだと思いエンジンを始動しました。

しかし、全く変わっていません。

SRSエアバッグの警告灯は点灯し、ダイアグコードはB1042です。

再度、配線の線間及び地絡を調べましたがショートはありませんでした。

コネクタ部の錆や異物もありません。

そこで問題です。

考えられる原因はどこでしょうか。

なお、点検結果に間違いはありません。
部品の間違いもないし、当然、新品です。
また、言葉じりをとらえた問題でもありません。


出来れば内緒でコメント下さい。
内緒でのコメントができない方は、4日以降にお願いします。

また、質問は受け付けますが、内容によってはお答えできないかもしれません。


ノーヒントでわかった人はGOODです。


エアバッグ警告灯点灯②

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多くのコメント、ありがとうございます。
あまりにも多すぎて、返事ができませんでした。m(_ _)m
 
 
みなさん、素晴らしいですね。
思っていた以上に多くの正解者がいました。
 
 
では、解説です。
 
ダイアグコードB1042(運転席シートベルトプリテンショナ回路の抵抗が低い)を表示しました。
 
つまり、運転席シートベルトプリテンショナ回路のショートです。
 
ダイアグノーシスで断線やショートを出す場合、基本的に不具合箇所は大きく分けて3か所です。
 
それは、「ECU」,「センサーまたはアクチュエータ」、「配線&コネクタ」(ECUとセンサーまたはアクチュエータ間)の3か所です。
 
今回は、ECU(エアバッグコントローラ)とアクチュエータ(運転席シートベルトプリテンショナ)は新品に交換済みです。
 
部品間違いもなく、新品という事で原因からは除外です。
 
という事は、原因は残りの配線&コネクタ(エアバッグコントローラと運転席シートベルトプリテンショナ間)ということになります。
 
 
その配線ですが、運転席シートベルトプリテンショナのコネクタを外し、ハーネス側コネクタでプリテン用の配線2本の線間ショートとアースとのショートを調べましたが問題ありませんでした。

つまり配線自体のショートもないという事です。
 
こいうことで、残るはコネクタです。
 
そう、本当に原因はコネクタだったのです。


 
 
 
では、なぜコネクタが原因だったのでしょうか?
 
 
エアバッグシステム(プリテンショナを含む)には、インフレータ(点火装置)の誤爆を防ぐために、通常、エアバッグ本体やプリテンショナを外した場合、2本線が自動的にショートするショート機構があります。
 
ショートさせることによって、静電気やテスターの電流で間違って作動(展開)することを防いでいるのです。
 
エアバッグの場合は、ECUのコネクタ、エアバッグ本体のコネクタ、スパイラルケーブルにショート機構が設けられており、プリテンの場合は、プリテンショナ本体のコネクタにショート機構があります。
 
このショート機構というのは単純で、コネクタを差し込んでいる状態では、ハーネス側のコネクタがショート機構の接点を押して解除しています。
 
そしてコネクタを抜くと、邪魔するものが無くなるのでスプリングの力で接点がONし自動的にショートします。
 
 
上はショート機構が働いて端子間がショートしています。
下は、コネクタ部のカバーを押し込むことでショートが解除しています。
 
 
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このショート機構を知らない人は結構います。
 
今回はこのショート機構が解除されていなかったのです。
 
少し長くなりそうなので、次回に続く。

エアバッグ警告灯点灯③

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SRSエアバッグ警告灯が点灯するというワゴンR。
ダイアグコードB1042(運転席シートベルトプリテンショナ回路の抵抗が低い)を表示。
 
運転席シートベルトプリテンショナとECUを交換。
 
また、運転席シートベルトプリテンショナのQ05コネクタを抜いてECU側の配線を点検したが線間短絡とアースとの地絡も無し。
 
 
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この時点で、同業者から依頼を受けました。
 
話を聞いた限りではどこも悪くありません。
 
ショート機構のことは知っていましたが、コネクタをちゃんと接続していれば問題ないので頭の中にはありませんでした。
 
 
しかし、他人のしたことを信用してはいけないので、きっと見落としがあるのだろうと疑いました。
 
この疑うという事は大事なことで、スキャンツールのコードや内容も間違いがあるので疑います。
 
もちろん、自分自身も疑います。
 
見落としがないか?資料が年式違いや仕様違いがないか?見ている場所が間違っていないか?など、様々なことを疑います。
 
 
そこで、まず疑ったのはコード内容です。(過去に、某スキャンツールで左右の表示間違いの経験あり)
 
次が、依頼者が行ったショートの点検内容です。
 
もちろん交換した部品も疑いますが、ECUとプリテンショナは純正の新品に交換していますので、疑いますが最後です。
 
 
そこでまず、最初に行ったのは、プリテンショナのコネクタを抜くことです。
 
 
これでコードB1041「運転席シートベルトプリテンショナ回路の抵抗が高い」というコードを表示すれば、コード表とも合致しますので間違いないことになります。
 
また、ECU内や配線&コネクタ部での短絡もないことになります。
 
実際に運転席シートベルトプリテンショナのコネクタを抜いてみました。
 
するとコードB1041「運転席シートベルトプリテンショナ回路の抵抗が高い」というコードを表示したのです。
 
ということは、ショートしているのは交換した運転席シートベルトプリテンショナということになります。
 
 
しかし、新品に交換しています。
 
やはり新品の部品が悪いのでしょうか?
 
 
いやいや違います。
 
 
実は、このコネクタを抜く時に「あれっ?」と思うことがあったのです。
 
通常、エアバックシステムのコネクタの多くは2重ロックのコネクタが使われています。
 
それが運転席側のコネクタは2重ロックではありませんでした。
 
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あれっ?と思い助手席側を見ると、やはり2重ロックです。
 
 
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その2重ロックを解除すると今回の原因が分かりました。
 
このショート機構の解除は、コネクタを差し込んだ時点で解除する場合と2重ロックを作動させた時点で解除される場合があります。
 
今回の車は2重ロックすると解除するタイプだったのです。
 
プリテンショナ側コネクタ
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カバーの中央部には突起部があり、これがショート機構の接点押してショート機構の解除するのですが、運転席側のコネクタにはこのカバーがなく、コネクタを接続しただけだったのでショート機構は解除されなかったのです。
 
 
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2重ロックのカバーがなかった運転席プリテンショナのコネクタ
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原因は、2重ロック用の部品がなくショート機構が働いたままだったので、「運転席シートベルトプリテンショナ回路の抵抗が低い」というダイアグコードを表示したのでした。
 
 
 
記事には書いていませんが、実は事故修理後にこの警告灯が点灯するようになったのです。
よくみると、鈑金の形跡がありました。
 
なぜ、このカバーがなかったのは不明です。
 
事故により破損したものなのか、もしくは板金屋さんが2重ロックのことを知らなくて外す時に壊したのかもしれません。
 
 
エアバッグシステムは、2重ロック、ショート機構、半嵌合検出機構といった他にはない機構を備えているので注意が必要です。
 
 
今回はコネクタ内のショートが原因でしたので、正解者は、kat*ris*n*ou_l2*dさん、TOYOさん、youさん、zx3*3_n*さん、makkinnkiさん、sumzhi1963さん、leoさん、mir**ru25さん、ADAさん、番犬さんです。
 
 
中でも、不具合箇所と合わせて点検方法もコメントをくれた番犬さんがベストアンサーです。
 

コネクタのショートバーが短絡しっぱなしですか?
ロックがキチンと掛かってなかったとかで・・・
そんなにお粗末じゃないですかね!?(笑)
でも、配線に短絡が無くて、ユニットとプリテンショナーが新品ならそのくらいしか思いつかないです。
オイラならコネクタを切った時点でショートからオープンになるか?で絞り込みをすると思います。
オープンになれば当然その先のプリテンショナー側しかないですから!

 
番犬さん、勝手にコメントを載せてすみません。


でも、さすが全国のトップに立つ人は違います。
(ファン限定です)

ABS誤作動&警告灯点灯/ラクティス

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走行中にスピードメーターが動かなくなり、ABSPS、ブレーキ、エンジンの各警告灯が点灯するという平成19年式ラクティス(NCP100NZ
 
また、低速時、ブレーキペダルを踏むとABSが作動しているように感じるという。
 
 
各システムのダイアグを点検すると、ABSは正常、エンジンはP0500(車速信号系)、U0129(ブレーキECU通信異常)、PSU0121ABS ECU通信異常)、メーターはU0129(ブレーキECU通信異常)を記憶していた。
 

症状からも推定できたが、このことからABSECUがダウンし、CANでつながっているECUとの通信ができなくなり、車速信号がわからずにメーターが動かなかったのがほぼ間違いないと思われた。
 
ABSの誤作動はECU不良かスピードセンサーの不良だろうと思い、データモニターで各車輪の車速を調べた。
 
すると、直進状態なのにリヤ右のスピードが他の3か所の半分以下の数値だった。

リヤ右だけ8km/hで他は23km/h。
リヤの左右がABS作動中になっている。(左右は同時制御のようだ)
 
イメージ 1
 
これではABSが誤作動するはずである。
 
この間違った車速が、スピードセンサーの入力がおかしいのか、正常なのにECUの不良で間違った数値に変換しているのかを確認するために、ECU部で波形を調べた。

上がリヤ右で、下がリヤ左の波形。
ほぼ同じ速度なのに明らかに違う。
 
 イメージ 2

 
 
スピードセンサーの場合、センサー自体の不良とエアギャップの不良が考えられるが、このタイプのスピードセンサーのエアギャップは、事故でもしない限り変化しにくい。
 
違う車の同じタイプのセンサー
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また、ピックアップコイル式と違い、エアギャップの少しの狂いがあっても影響を受けない。

念のためエアギャップに狂いがないか調べてみたが問題なさそうだった。
 
また、コネクタ部の錆や接触不良も調べておこうと外してみると、若干の青錆が見られた。
 
 
イメージ 3
 
清掃してみたが症状に変化はなかった。
 

センサーの不良と思われるので交換。
 
 
問題は、ECUの方である。
 
 
つづく
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