整備士になりたての頃は、ATとMT車の比率が今と全く反対でMT車が主流でした。
もちろん自分の車もMT車で、「AT車なんてジジィの乗る車だ。一生、MT車に乗るぞ。」なんて言っていましたが、結婚したらすぐにAT車を購入した私です。(^_^.)
しかし、当時は本当にMT車ばかりで、ATなんて勉強する必要はなかったのですが、トヨタ検定を受けるために仕方なく勉強した記憶があります。
その時はブレーキやクラッチの意味など考えず、ひたすらに名称と作動要素、それから機械的な動きを丸暗記するだけでした。
その後は勉強することはなかったですが、ある時にふと「なんでクラッチとブレーキとあるのだろう?」と疑問に思いました。
数十年ぶりに勉強した資料を引っ張り出してみると、ある法則があることに気が付きました。
下の写真が当時勉強した資料です。
「C」はクラッチ。「B」はブレーキ。「F」はワンウェイクラッチです。
気が付いたでしょうか?
ある辞典では、クラッチとは「動力伝達軸の間で回転を伝達したり遮断したりする装置」、ブレーキとは「減速、あるいは停止を行う装置」となっていました。
英語本来の意味はどうかわかりませんが、整備士が使う言葉としては大体適切ではないかと思います。
ATでも同様で、「クラッチ」とは動力の断続を行うものです。
また、「ブレーキ」は回転部分を停止させるものです。
CVTでも同様ですね。
たとえば、CVTの前後切り換え機構部のフォワードクラッチは、インプットシャフトの動力をプラネタリキャリアに伝えたり切ったりしています。
リバースブレーキはインターナリギヤを回転しないように固定しています。
1枚目の写真を見ますと、C0、C1、C2の各クラッチは動力を断続していることがわかります。
B0,B1,B2,B3の各ブレーキは回転部分をハウジングに固定していることがわかります。
つまり「クラッチ」とは動力の断続を行い、「ブレーキ」は回転部分を停止させるものということになります。
さすがに今回は多くの方が正解でした。
なお、これらの解説は私の独断と偏見によるものですので、必ずしも正しいとはいえません。
また、間違いがあればご指摘ください。