多くの方からコメントをいただき有難うございました。
では、さっそく解答に入りたいと思います。
デンソー製オルタネータのカバーの穴ですが、その下にはブラシホルダーのボルトがあります。
そのブラシホルダー、当然ブラシが2個あります。
このブラシですが、ご承知のようにローターコイルに電気を流す役割をしています。
下の回路で言うと、ローターコイル両端の〇の部分です。
ただし、この〇の部分はブラシとスリップリングの接触面です。
ではそのブラシはどこにつながっているかと言うと、1つはオルタネータのB端子とIC式ボルテージ・レギュレータのB端子です。
もう1つのブラシはIC式ボルテージ・レギュレータのF端子です。
ブラシホルダー部を拡大します。
ブラシホルダを外します。
前の記事のコメントにも書きましたが、物を取り付けるボルトは、時には配線の端子の役割をしていることがあります。
このブラシホルダーも同じです。
1つのボルトはB端子、もう1つはF端子です。
ブラシホルダーの右のボルト部とオルタネータのB端子との導通を調べると約0Ωでした。
よって、ブラシホルダーの右のボルトがB端子で、左のボルトがF端子ということになります。
ちなみにF端子の下のボルトはP端子です。
このF端子は何をしているのかと言うと、D端子電圧が調整電圧以下の時は発電するためにIC式ボルテージ・レギュレータのトランジスタNo1(Tr1)をONさせます。よってロータコイルに電流が流れ磁化されることでステーコイルに交流電圧が発生します。
S端子電圧が調整電圧を超えるとTr1をOFFさせてローターコイルには電気が流れなくなります。よって、発電しなくなります。
そのF端子のボルトがオルタネータのカバーの穴からアクセスできるようになっています。
よって、この穴からはF端子の電圧が測定できます。
コメントをいただいた中で「ICレギュレーターの制御電圧を測る為」、「ローターコイルの励磁電圧の測定用端子」、「ICレギュレーターの点検に用いるのでしょうか」、「オルタネーターのローターコイルの-側の電圧を計測する。」という方々は正解です。
「オルタネータの穴」の記事の私のコメントの中で、「午後 5:48、午後 8:14、午後 5:53の内緒さん、それもできるのですが、そのためにあるものではないと思います。」とありますが、私の間違いでした。申し訳ありません。(次の役割のためにあるものとばかり思っていましたが、資料を見直したらF端子測定の項目がありました。)
それからもう1つの役割があります。
この穴から金属製の棒を差し込みF端子をカバーとショートさせるのです。
F端子は発電を制御する端子です。
それをアースするということは、オルタネータは最大の発電量になります。
つまり、オルタネータ自体の性能の点検が出来るのです。
結局、この穴はオルタネータの点検用のサービスホールです。
F端子電圧の測定用または、このサービスホールを利用しF端子をアースするためにあるのです。
もちろん、カバーを外せばそれぞれの点検はできるのですが、場所的に面倒なのでこういったサービスホールがあるのもと思いますが、その存在を知っている人は少ないですし、そんな点検をしている人はあまりいないと思います。
そんな中で、番犬さん、sumzhi1963さん、kat*ris*n*ou_l2*dさん、LEOさん、der**a_wi*h_tさん、sil*er_**lf_06*37*sさん、bnx*r8*7さんが正解でした。
正直、こんなに正解者がいるとは思いませんでした。
そこでお願いがあります。
このあと投票を行いたいと思います。
個人的には5%くらいの人しか知らないと思っていましたが、予想以上に正解者がいました。
内容はこのサービスホールのことを知っているか、知らなかったかというものです。
実際、どのくらいの人が知っているのかを確認したいと思います。
コメントは不要です。
単純に知っていた、知らなかっただけで結構です。
誰がどのように投票したのかは、私を含めて誰にもわかりません。
日頃、このブログ覗いているだけの人も、ご協力をお願いします。
過去に行った投票では、協力者はせいぜい数人です。
それでは統計になりませんの、せめて200人くらいの投票になればと思います。
是非、ご協力をお願いします。
このサービスホールを使った具体的な点検方法は次の通りです。
※オルタネータASSY=オルタネータ部分(除くIC式ボルテージ・レギュレータ)+IC式ボルテージ・レギュレータ
【発電しない場合】
電気負荷をかけた状態でF端子をアースする。
発電があればオルタネータは正常。
逆に言えばIC式レギュレータまたはオルタネータASSY以外が不良。
F端子をアースしても発電がなけれがオルタネータ(ブラシ、ローターコイル等)の不良。
【出力電圧が高い】
電気負荷をかけた状態でF端子電圧を測定する。
エンジン回転を変化させても電圧が変化しなければ、IC式ボルテージ・レギュレータの不良か0VのままだとF端子が地絡。
ちなみに、ある車で試したところ、F端子をアースさせて回転を上げると、定格を超える90Aの電流が発生しました。
もちろん、この点検は短時間で行う必要があります。
参考までに、端子一覧です。