燃料ポンプに流れる電流を測定したら、車のあるところが壊れたというのです。
通常、電流を測定して車が壊れるなんてありません。
ただし、それは正しい測定方法をした場合の話です。
ご存知のように、電流を測定する場合、回路を切ってサーキットテスタを負荷に直列にセットします。
ということは、サーキットテスタが配線の一部になるわけです。
当然、サーキットテスタ内は小さな抵抗じゃなきゃ困ります。
(大きな抵抗だと、本来の電流より小さな電流になってしまう。)
アナログ式サーキットテスタの内部を簡単に書くと次のようになっており、負荷に直列につながる抵抗Rはかなり小さな抵抗です。
よって、電流測定は測定方法を間違うととんでもないことが起こってしまいます。
コメントをくれた方の例を紹介します。
燃料ポンプのコネクタを外して、ハーネス側コネクタにテスタをセットするというものです。
燃料ポンプの代わりにテスタが入るのです。
当然、電流が流れすぎてヒューズが飛びます。
また、ポンプリレーを外してコイル側の端子にテスタをセットしキーをONにした場合す。
キーON時、ECU内はポンプリレーをONさせるためにECU内のトランジスタをONさせます。
すると、テスタ経由でECUに電源が供給されます。
ヒューズが飛ぶかECUが壊れるかは神のみしか知りません。(試さないでください)
これらは測定方法が違うだけであって共に負荷の代わりにサーキットテスタをつないだものです。
ほぼショートに近い状態になりますので、ヒューズが飛ぶか配線が焼けます。
このことがわかっていれば今回の問題はほぼ正解です。
よって、半熟整備士さん、うらさん、doy*e*000さん、ADAさん、KAZUYAさん、mir**ru25さんが正解です。
で、実際はどうだったのかというと、電流を測定するとエンジンがかからなくなったそうです。
調べると燃料ポンプのヒューズが飛んでいたようです。
このことを聞いてすぐにピンときました。
電話をしてきた人に「電流計は回路に直列に入れましたか?」と聞くと、「電圧を測定するときのように並列にした」というのです。(@_@)
コメントをくれた方のような間違いも起こりえますが、電流測定で最も間違いやすいのが今回のように、電流を電圧と同じように測定することです。
燃料ポンプと並列にテスタをつなぐと、テスタとポンプが並列ですの合成抵抗は小さくなり更に大きな電流が流れてしまいます。
ヒューズがなければ恐ろしいことになっていたでしょう。(^_^;)
今回の正解は「サーキットテスタを燃料ポンプと並列に接続して、ヒューズが飛んだ」というのが満点の答えです。
※いろいろな測定間違いが考えられますので、今回の問題はあまり適切ではありませんでした。m(_ _)m