知り合いの整備士がトラブル車の相談に訪ねてきた。
車は平成22年式ヴィッツ(KSP90、1KR)のCVTで、Rレンジにすると動かないというもの。
詳しく聞くと、Rレンジにしても全くショックもなく、全く動かないというのである。
ATで動かないとなると内部の機械的な不具合である。(一部のメーカーの一部のATを除く。ホンダと三菱だったと思う。)
「動かないとなるとミッション本体の問題なのでASSY交換だよ。」
「たぶん、リヤクラッチの滑りじゃないの。」と説明しておいた。
数日後、その整備士から「CVTを交換したのですが、全く同じです。」と電話があった。
「えっ、そんなはずはない。全くショックもないの?」と聞き返すと、「そうです。」という返事。
CVTを含むATで、制御により動かないことは、一部のミッション以外では考えられない。
特にトヨタではないはず。
もしかして知らないだけで、そういったATがあるの?
もし、制御で動かないとすれば、制御を一切やめれば動くはずなので、ミッションにつながっている配線を全て外してもらった。
しばらくすると返事があり、ショックは大きいもののバックするというのである。
外したコネクタを1個ずつ接続すると、タービン回転センサーをつなぐと動かなくなるそうである。
やってしまった。。
制御で動かなくしていたのである。
相談に来た時に、一瞬、この方法を説明しようかと思ったが、トヨタでは制御で動かないことはないはずと思いやめたのである。
制御でバックだけしないなんてあるのだろうか?
解説書をみたが停車時のニュートラル制御くらいしかないが、走行もしていないし、ニュートラル制御はそもそもDレンジのみである。
いろいろと考えても仕方がないので、近くの工場ということもあり見に行くことにした。
つづく