アイドル回転が保てないという平成14年式ラパン(HE21S、K6A)
しばらく他工場で点検していた車で、中古だがISCVとECUを交換しており、また、正常な車の物とも交換してみたらしい。
持ってきた時点で車に付いているのは中古のISCVと中古のECU①である。(合計3個の中古ECUが出てくるので番号を付けた)
そして元々のISCVとECUは助手席にあった。
まずは症状の確認をするとアイドル回転は低いどころか1500回転と高過ぎる。
依頼者に聞くと、色々と点検しているうちに上がったままになったとのこと。
スキャンツールで調べると、目標アイドル回転が1300回転に対して実際のアイドル回転は1500回転。
ISCVのステップは一桁。
実際の回転数が目標回転より高いので、ECUは回転を下げようと制御しているのにISCVが動いていないようである。
ISCVが不良の場合の典型的な症状である。
K6AエンジンということからもISCV系統が疑われる。
ISCVの単体点検を行うと4つのコイルはそれぞれ約30Ωと問題なかった。
ISCVのコネクタを抜き、ハーネス側のコネクタ部でハーネスを含めたECU側の抵抗を測定すると、2.5MΩ、2Ω、2.5MΩ、∞Ωとバラバラ。
テスタのプローブを入れ替えて測定すると、∞Ω、2Ω、∞Ω、∞Ω。
点検結果からはISCV自体は良いがECUは駄目である。
特に、2番目の2Ωを表示するECU内のパワトラはショートしていると思われる。
中古のECU①の不良である。
元々のISCVやECUも本当に悪かったのかを確認すると、ISCVは4つのコイルのうち3つは約30Ωで問題なかったが、残る1つは1Ωとショートしていた。
ECUも元通りに組み付けISCV側のコネクタ部で点検すると、2.6MΩ、151Ω、2.6MΩ、∞Ωと、はやり不良であった。
元々の部品は共に不良だが、今、付いている中古のECU①も不良である。
ECU①が悪いことには間違いないので依頼者に連絡しECUを手配してもらった。
翌日、中古のECU②が届いたのだが、ECU②を交換してISCVのコネクタ部でECU②側の点検すると、2.5MΩ、5.4KΩ、∞Ω、2.5MΩとこれまた不良品。
再度連絡をし、中古でも構わないが、解体屋さんにECUの点検を行ってから取り寄せるよう説明した。
(点検要領は図解でFAX)
しばらくして解体屋さんから点検結果の電話があり、聞いたが限りでは大丈夫そうな数値だったのでそれを送ってもらうことにした。
翌日、解体屋さんがECU③を持ってきたので、念のため、その場でECU③を単体で点検すると、4か所ともほぼ同じ数値で問題なかった。
まずはECU③を交換。
そしてISCVが動くかを調べるために、ストックしてあったISCVを取り付け、キースイッチをON・OFFさせてみた。
しかし、キースイッチをON・OFFしてもほとんど動かなかった。
良品と思われるECU③なのに何故だ?
つづく