ユーザーがバッテリを上げてしまった平成24年式タント(L375S、KF)
バッテリを交換したのだが、ecoIDLEランプが点滅(オレンジ)するという電話相談。
P1602は「始動時電源電圧低下異常」を表しているようで、バッテリが上がったのであれば当然表示するコードである。
しかし、バッテリを交換してスキャンツールを使っての消去作業を行っても、ecoIDLEランプが点滅し、ダイアグノーシスを調べるとP1602を表示するというのである。
なにか、初期化でも必要かと調べてみたが、ECUやスタータを交換したときの作業はあったが、バッテリ交換では特に作業は何もなかった。
ダイアグコードの消去であれば、ヒューズを抜く方法もあるだろうと思いFAINESで調べることにした。
調べると、「ECU B」と「B/UP」ヒューズを60秒以上抜き取る」となっていた。
「トヨタと同様に2つのヒューズを抜く方法になっているのか」などと思いながら、その下の注意書きを読むと、「冷間時は、ダイアグノーシスコードの消去時間が長くなる場合がある。」などが書かれていた。
また、その次には参考として「P1602(始動時電源電圧低下異常)が消去できない場合は、データーモニター・・・・・・・・、ヒューズ抜き取り時間が短い可能性があるため・・・・・・・・」などと、今回のトラブルに関係することが書かれていたので、印刷してFAXすることにした。
印刷したものを何気なく頭のほうから読んでみると、スキャンツールを使った消去作業の項目に、目を疑うことが書かれていた。
それは「P1602/37(始動時電源電圧低下異常)が出力している場合は、DS-Ⅱによる消去ができないため、ヒューズ抜き取りによる消去を実施する」となっているのである。
つまり、ダイハツ純正のスキャンツールであるDS-Ⅱで異常コードの消去ができないので、ヒューズを抜き取る方法で消去作業を行えというのである。
なんともお粗末な話である。
これで、相談者がスキャンツールを使っての消去作業ができない訳がわかった。
このダイアグノーシスコードの消去方法の画面の右上に「挟み込みNO1」という文字がある。
これは、修理書の訂正か追加を行ったものと思われるが、たぶん、この項目を追加したものと思われる。
ちなみにミライースやムーブを調べたが同じく、タントと同じくスキャンツールによる消去ができないとなっていた。
なお、この項目はエンジンではなく「eco IDLEシステム」の項目なのでお間違えのないように。