バックドアのロックが解除できないという平成20年式ノート(E11)
実際に入庫した事例です。
システムは単純で、運転席ドアがアンロック状態でバックドアにあるバックドアスイッチを押すと、バックドアロックアクチュエータが作動しロックが解除できるというものです。
しかし、単純な構造ですが、一種の電子制御システムです。
運転席ドアか絡むのは、ドアロック中にバックドアを開けられないようにするためです。
電子制御システムの不具合箇所は大きく分けると3か所(センサー、ECU、アクチュエータ)になります。
今回の場合、正常な状態ではバックドアSWがONするとBCMの1番端子の電圧が0Vになり4番端子にバッテリ電圧が出るという単純な回路です。
よって1番と4番の電圧を調べればすぐに切り分けが出来ます。
運転席ドアがアンロック状態でバックドアスイッチを押した時に、1番がバッテリ電圧ならばスイッチ系統の不良。
もし0Vの場合は、4番端子を点検し、0VならBCMの不良、バッテリ電圧ならばアクチュエータ側の不良です。
ただ、BCM部で点検するというのは、色々なものを外さないといけないので面倒なのと、悪くなる可能性が高いのはセンサー自体、またはアクチュエータ自体ですのでまずはバックドア部で点検をしました。
その結果が前回の1~8です。
まず、運転席ドアがアンロック状態でバックドアSWがON時、2番端子は約0.5V、3番は0Vでした。
ということは、バックドアスイッチは正常です。
なのに、5番は0Vです。
BCMから出力されていないことになります。
次に調べないといけないのは、2番は0.5Vですが、1番も0.5Vなのかということと、5番は0Vですが4番も0Vなのかということです。
調べた結果、運転席ドアがアンロック状態でバックドアSWがON時、1番端子は約11Vでした。
2番端子と1番端子の電圧が違います。
これは、1番と2番の間に抵抗があることを示しています。
本来は1本の線でつながっているので同じ電圧じゃないといけません。
1番が0Vにならなければ4番に電圧が出ませんのでロックが解除できるわけがありません。
念のため4番の電圧を調べましたが、当然0Vでした。
端子位置に間違いがないかを確認するために、1番端子をアースすると、4番端子が約12Vでバックドアロックアクチュエータは作動しました。(端子位置の間違いがあると困るので電球を介してアースさせました。)
これで結線や端子位置は間違いないという事になります。
この結果、1番~2番間の抵抗大が確定です。
念のため1番~2番間で抵抗を測定すると約13~16MΩとほぼ断線状態でした。
よって「1番~2番間の抵抗大」が正解です。
bm*****さん、youさん、der**a_wi*h_tさん、doy*e*000さん、ADAさん正解です。
と、ここまではスムーズにいきましたが、いざ、実際の不具合箇所はどこかというとちょっと苦労しました。
つづく