エンジンから「カタカタ」音がするという平成19年式ハイゼット(S320S、EF)。
某工場での会話(推定)
(先輩)「この車、タペット音が大きいからバルブクリアランスを点検しておけ。点検できるよな。」
(後輩)「はい。大丈夫です。」
【数分後】
(後輩)「点検しましたが、エキゾースト側で0.5mm以上ある箇所が2か所あって測定できません。」
(先輩)「0.5mm以上?おまえ測定方法が間違ってない?」
(後輩)「たぶん、大丈夫と思うのですが・・・・」
(先輩)「じゃ、プラグギャップゲージを入れてみろ。」
【数分後】
(後輩)「測定しました。1.2mmが入りました。」
(先輩)「1.2mm!?!?。」
「有り得ないやろ。なんか間違ってない?」
【そこで先輩が確認】
(先輩)「う~ん、有り得ん。本当に1.2mm以上ある。」
「シムが減っているようには見えないから、バルブが曲がるとしか考えられん。おまえ、ヘッド降ろして点検してみろ。」
(後輩)「調子はそんなに悪くなかったのにバルブが曲がっていることってあるんですか?」
(先輩)「わからん。曲がる以外には縮むしかないけど、その方が有り得んだろ。」
【点検した結果】 ※バルブ機構はシムによる調整式
シムは表裏とも摩耗無し。
バルブリフタのシム側は摩耗や変形もなし。
バルブの長さは、バルブクリアランスが正常な個所も異常な個所もほぼ同じ。
バルブの動きもスムーズでバルブが開いたままということもない。
これらから、バルブの曲がりや縮みはないと思われる。
なのに何故バルブクリアランスが大きいのか?
しかし、よく見るとバルブステムのヘッド部分が光っている。
その部分はバルブリフタの裏側との接触する部分である。
バルブリフタの裏側を見ると原因が判明。
バルブクリアランスの大きな箇所のバルブリフタの裏側(バルブ側)
正常なバルブリフタ
左が不良品、右が正常品
この部分が摩耗すれば当然、バルブクリアランスは大きくなる。
しかし、何故、摩耗したのか?
材質の問題?
この部分は表面強化処理されていると思われるが。
もしかしたら違う材質を埋め込んでいてそれが取れたの?
正常なものを壊して削ってみた。
断面を見る限り、違う材質のものをはめ込んでいるとは思えない。
ということは、やはりただの摩耗である。
材質?オイル管理?温度?
このエンジンだけの問題か?