ECU及びTCVのコネクタの両方を外しているのに、この配線とボデーアース間が∞Ωじゃなのは間違いなくおかしい。
どこかでレアショートしているのだろうと思い、ハーネスをゆすってみた。
すると、左サイドフレーム内を通っているハーネスをゆすると大きく反応した。
大体の範囲が絞りこめたので、その近辺を調べたがハーネスがこすれたような形跡はなかった。
こうなるとハーネス内でのショートも疑わないといけない。
TCVから60cmくらいのワイヤーハーネスのテーピングをはぐことができたのではいで、TCVの配線を調べたが特に異常は見つからなかった。
そこより先端はハーネスが分岐している部分で、テーピングを取るためには各部を外してハーネス自体を浮き上がらせなければならない。
しかし、その作業をするには、かなりの作業量が予想された。
どうしようかと悩んでいるうちに、ショートが無くなってしまったのである。
その状態でエンジンをかけてレーシングすると正常に戻っていた。
やはり、原因はTCVの配線のショートに間違いなかった。
となれば、ショート箇所を特定しなくても、バイパスの配線を引き直せばいいだろうという事になり、どの部分で接続しようかと考えた。
見ると、室内ハーネスとエンジンハーネスを接続するジャンクションボックスみたいなものがあったので、そこで行うことにした。
作業するのに邪魔なのでダクト類を外すと、ダクトの下のワイヤーハーネスのテーピングにこすれている個所を発見。
もしかしてここが原因か?と思ったが、よく見ると配線には全く影響はない状態だった。
この部分のハーネスはフレームの上にあり、おまけにハーネスの上にダクトがある。
よって、振動やダクトとの接触でテーピングだけがこすれてはげたようだ。
もしかして、ハーネスの裏にもストレスがかかっているのではないかと、ハーネスを持ち上げ鏡で調べてみた。(2cmほどしか持ちあがらない)
すると、フレームにこすれたような跡があり、ハーネスをテーピングしている黒いテープの中にTCVのアース側である黄/赤線だけがすけて見えた。
よーく見ると、その黄/赤線の被服が無くなって銅線が見えているような気もする。
サーキットテスタで調べると、やはり被服がはげており導通があった。
この部分でボデーとショートしていたようである。
この部分から先は、あちこちの分岐しており、それぞれで固定してるので、かなりきつくてハーネスを持ち上げることが出来ないし、すけて見えていた配線が1本だけだったのでハーネスの下にタイヤチューブを敷き込んで、ハーネスごとゴムチューブで巻けば問題ないだろうと思い、ゴムチューブを巻くことにした。
その後、不具合は出なくなった。
デーラーの人にもこれまでの作業状況などを聞いていたので結果報告をすると、「まさかそんなことが・・・・・」と驚いていた。
今回、幸運だったのは、ショートしたのがTCVのアース側だったことである。
これが電源側で時々ヒューズが切れてエンストなんてトラブルだったら、何日かかったか想像もできない。
サイドメンバーを通っているワイヤーハーネスはテーピングの外にジャバラのカバーがあったが、ショートしていた箇所にはテーピングのみだった。
ハーネスの分岐部でカバーは難しいと思うが、樹脂製の板状の物でもあれば、こんなトラブルは起こらなかったのではないかと思われる。