暖機後、アクセルペダルに対するレスポンスが悪くなり、エンストすることもあるという平成7年式のキャンピングカー(VW Rialte)。
冷機時はそうでもないらしい。
同業者からの依頼なのだが、並行輸入車でキャンピングカーなんて、どれだけ非効率で大変な作業になるかわからないので、断りたかったのだが受けてしまった。
まず、症状の確認をすると、アイドリングは問題ないのだが、アクセルペダルを踏むと、回転が全く付いてこない。
それどころか、そのままエンストすることもある。
どうも燃料不足のような気がした。
ただし、エンストせずに回転が徐々に上がってくると、その回転数では問題なく回っている。
しかし、アクセルペダルを離すと、エンジン回転は大きく落ち込みエンストしそうになったり、実際、エンストすることもある。
その時は、かなりガソリン臭い。
どうも燃料系がおかしいような気がする。
ただし、一定回転では正常、アクセルペダルを踏むと燃料不足、アクセルペダルを離すとオーバーリッチと、わけのわからない症状である。
燃料系で最も影響を与えるのは吸入空気量を検出するエアフロメータまたはバキュームセンサーである。
しかし、探したがどちらも見当たらない。
エアフロメータは間違いなくないのでバキュームセンサーを使ったDジェトロと思われた。
そういえば、外車ではバキュームセンサーがECUに内蔵されているものがあったことを思い出した。
ということで各バキュームホースをたどっていくと、1本だけECUらしきものにつながっていることが確認された。
ECU内蔵であればバキュームセンサーの点検は出来ないので、バキュームだけの点検を行うことにした。
バキュームホースの途中に3ウェイがあり、プレッシャーレギュレータに分岐していたので、その部分にバキューゲージをつないだ。
アクセルペダルと負圧の状態を観察すると、明らかに負圧の変化が遅い。
アクセルペダルに連動しないのである。
どこかで詰まっているのではないかと思われた。
もし詰りであれば、アクセルペダルを踏んだ時は、負圧が大きいままなので燃料不足、アクセルを離すとすぐに本来の負圧にならないのでオーバーリッチ、一定回転を保っていれば、そのうちに本来の負圧になり正常回転を保てる。
この仮定通りであれば、アクセル操作とその時の症状も納得できる。
そうこうしているうちに、アイドリングでも不調になってきた。
バキュームゲージを見ると、-200Hgのまま変化しない。
完全に詰まっている。
バキュームホースを外して点検すると、全ての謎が解けた。
3ウェイ部バキュームホースがかなりふやけており、指でつまむとつぶれたまま元の状態に戻らないのである。
バキュームホースを交換すると正常になった。
どうなることかと心配だったが、短時間で修理を終えることができ一安心である。
小型車しか扱わない当社で、車幅が250cmもある車なんて迷惑でしかないのである。(^_^.)