全くエンジンがかかる気配がないという平成17年式ハイゼット(S200P、EF-SE)について知人から電話相談があった。
知人の工場で調べた結果は次の通り。
燃圧は約3kg/cm2でOK。
火花点検もOK。
インジェクタの作動音もOK。
パーツクリーナーを吸わせるとエンジンはかかり、吸わせるのを止めるとエンストするとのこと。
ちなみにインジェクタとECUは交換できる物があったので交換したが同じらしい。
これらから考えられるのは、燃料が出ていない、または出ていても足りないか、燃料自体の不良である。
燃料に関係する、噴射時間、吸気管圧力、水温を確認してもらうと、噴射時間はクランキング時、15~20ms、吸気管圧力はキーONでほぼ100kPa、水温は14℃と問題ない。
本当に燃料が出ているかを確認するために排気ガスを測定してもらうと、クランキング時、約12000ppmだったという事で、燃料は少なからず出ているようだった。
パーツクリーナーを吸わせればエンジンが正常にかかることから、原因は燃料系には間違いない。
しかし、各点検結果からは燃料不足の原因らしき箇所がない。
本当に燃料が出ているかを確認するために、インジェクタのアース側を瞬間的に何度かアースして、その後、クランキングしてもらうことにした。
すると、エンジンがかかってすぐにエンストしたのこと。
という事は、インジェクタ回路は電気的にも機械的にも悪くないし、燃料自体も問題ないという事になる。
噴射時間が短いとしか考えられない。
いよいよわからないので、念のため、インジェクタの電源と噴射波形をオシロで調べてもらうよう説明し話を終えた。
翌日、知人が分からないので見て欲しいと車を持ってきた。
波形はどうだったかを聞くと、問題なかったという。
話を聞く限り、悪いところはなさそうなので、お手上げなのもわからなくもない。
さあ、どうするか。。。。
つづく