暖機後、アイドル不調になり、突然、エアクリーナ部から「ジュボッ」という大きな吸入音がしてエンジン回転が大きく変動するという平成7年式ヴィヴィオ(KK4、EN07)
特定のシリンダのミスではなさそうだったが、念のためストックしてあったプラグと入れ替えたが変化なし。
吸入音はISCVの開度が変化することによるものと思われたので、ミスのタイミングと吸入音、エンジン回転の変動をデーターモニターで調べると、次の流れで起こっていると推定された。
まず、何らかの原因で失火→回転が落ち込むのでそれを補正しようとISCVの開度が大きくなる→急激にISCVの開度が大きくなり吸入音が大きくなる→そして回転数が大きく変化する
短時間のことなので断定できないが、それぞれの2つの現象だけに絞って確認し総合的に判断するとこのようになっていた。
ただし、通常であれば、単純な失火によりここまで大きく変化はしないのだが、こうなる理由が何かありそうである。
また、失火が起こると必ずISCVの開度が大きくなり大きな吸入音がするわけではなく、一般的な失火時のように、一瞬だけ回転が落ち込むだけのこともある。
こうやって考えると、失火が原因なのか、それともISCVの開度が変化するのがそもそもの原因なのかがわからなくなってしまう。
失火とISCVの開度変化のどちらが先なのかを調べるため、ISCVが変化しないように固定すればいいだろうと思いコネクタを抜いた。
すると回転数が1600回転くらいまで上がってしまい症状が分からない。
ISCVを外し、機械的な回転部を手で回して800回転くらいなるようにして固定した。
すると、吸入音はしなくなったが、700~900回転でゆっくり変動。
このような症状は空燃比が濃すぎの場合に起こることが多い。
排気ガスを調べるとCOが5%、HCは1100ppmをオーバーとやはりリッチ状態だった。
O2センサーも1V近い信号になっていた。
空燃比に関係する燃圧、水温センサー、圧力センサー等を調べたが問題なかった。
何が悪いのか?
ここまでの推理に間違いがあるのか?
ここで行き詰ってしまった。
こういう時は基本に戻るに限る。
まず、圧縮圧力を測定すると問題なかった。
次にバルブクリアランスを点検すると、1番と2番シリンダの排気側のバルブクリアランスが0.2mmが入らなかった。
このエンジンはシム式なので必要なシムを調べ注文。
ただし、これで不具合が出るものなのかと思う程ひどくはなかった。
残るはバルブタイミングなので点検すると、なんと2コマずれていた。
不具合現象を言葉で上手く表現できないが、とても不思議な現象でやっかいな事例だと思ったが、あの吸入音と回転変動に目がいき、まさかバルブタイミングがずれているとは思いもしなかった。
バルブタイミングの調整とシムの交換で正常になった。
ただ、バルタイのずれで、なぜ、あの不具合現象が出たのかはわからないままだった。