エンジン始動不能の平成14年式スパシオ(NZZ121W,1NZ)
知人の整備士からの依頼。
症状は始動不能だけではなく、燃料メーターが作動せず、キーの抜き忘れ警告音もならないと多岐にわたる。
実は、エンジン&ミッション脱着後に起こったトラブル。
オイル漏れの修理であり、それまでは正常にエンジンはかかっていたとのこと。
何らかの作業ミスが考えられる。
まず、エンジンから点検を行おうとスキャンツールをつなげたが通信不能。
他のシステムを調べるとABSやエアバッグとは通信できた。
ダイアグコネクタの通信線は問題ないようだ。
ダイアグコネクタを使い、Tc端子とCG端子を短絡すると、ABSやエアバッグ警告灯は点滅を始めたが、エンジンチェックランプは点灯したまま。
こうなるとエンジンECU系が怪しい。
エンジンECUの電源、アース、Vcを調べたが問題なかった。
この年式だとコンデンサーの液漏れはないだろうとは思ったが、念のためECU内を点検。
すると液漏れはなかったが、トランジスタの一部が焼損していた。
メーターについても点検したが、電源、アース、信号端子に問題はなかった。
こちらについてもメーターの不良と判断。
ECUとメーターを交換すると一発で始動出来、メーターも動くようになった。
念のため、エンジンのデーターを調べていたら、O2センサーがほぼ0.5Vで固定していることに気が付いた。
O2センサーの不良なので交換するために外してみると、O2センサーの一部が変形していた。
エンジン脱着だけでこれだけの複数の不具合が発生した原因がどこかにあるはずだと思っていたが、もしかすると、この変形した時にO2センサーのヒーター回路がショートし、ECU内の焼損、メーターやO2センサーの故障が起こった可能性も否定できない。(単体点検ではショートはなかった)
ECUやメーターが壊れた原因があるはずだが特定はできなかった。