風がでなくなるキャラバン。
常にマグネットクラッチがONしていることが原因。
なぜそうなるのかを点検した結果は次の通り。
①エアコンスイッチON、ブロアファンスイッチON で調べると、13番は4.5Vで255番は0V、リレーはON。
②エアコンスイッチOFF、ブロアファンスイッチON で13番は12Vで255番は0VでリレーはON。
③エアコンスイッチOFF、ブロアファンスイッチOFFで13番は12V、255番は12Vで当然リレーはOFF。
これはどう見てもおかしい。
①と②ではコンプレッサーをONさせる条件信号である13番端子電圧が変化しているということは、13番端子電圧は問題ないという事になる。
なのに②と③では、13番端子電圧が同じなので、ブロアファンスイッチのON/OFFでコンプレッサーリレーがON/OFFをしている。
13番端子が12Vというのは本当にコンプレッサーOFF信号なのか?
デュアルプレッシャースイッチのコネクタを抜けば条件はOFFになるだろうと思い抜いてみた。
するとやはり12Vである。
ということは、13番端子が12VでコンプレッサーはOFFで問題ない。
逆に言えば、13番端子の電圧が低いとコンプレッサーON条件と思われる。
確かに①のA/CスイッチON時の電圧は4.5Vと低い。
4.5Vという中途半端な電圧でいいのかどうかはわからないが、今回のトラブルはA/CスイッチOFF時の、13番端子電圧が12Vの時でもリレーがONするということなので関係ないと思われた。
これらから考えられるのは、13番端子電圧は問題ないので、A/Cスイッチ、サーモアンプ、デュアルスイッチ、各配線も問題ないという事になる。
残るは回路からいえばエンジンECMかメーターの不良である。
しかし、ECMは交換している。
では、メーターの不良か?
CANの信号を調べるとこはできないが、エンジンECMのデーターモニタではブロアファンをONにするだけで、「エアコン信号」という項目がONになっている。
このエアコン信号がメーターからの信号を受けたものなのか、A/CリレーをONさせている信号であるかはわからなかったが、ECMは交換しているのでメーターの不良の可能性が高い。
そのことを依頼者に伝えると、「実はメーターは、2年前に新品に交換している」とのこと。(Rレンジインジケータランプ不灯)
メーターに間違いないと思ったが、2年前に新品に交換しているとなると少し心配になってくる。
配線図や解説書がないのでこれ以上の絞込みが難しい。
また、ECMとメーター間はCANで通信を行っているせいで点検しようがない。
日産の純正の診断機でもないと難しいと思い悩んでいると、エンジンは違うが社用車にキャラバンがあることを思い出した。
もしかして合うのではないかと思い外してみると、ガソリンとジーゼルエンジンなので警告灯は違うが、全体的な見た目はほぼ同じだった。
メーターを外してみるとコネクタ形状も同じだったので交換してみた。
すると、エアコンは正常に作動することになったのである。
やはりマーターの不良だった。
メーターの不良に間違いないだろうとは思っていたがほっとした。
それにしてもエアコンに関する原因がコンビネーションメーターにあったとは・・・・
いろいろなシステムが通信を行っているせいか、思いもよらない部品が原因ということが増えてきたような気がする。