エンジンがかかる時とかからない時では、明らかにカム角センサーの波形に違いがあることから、カム角センサーの不良と判断。
カム角センサーを交換すればよくなるはずだと思い、依頼者の人に連絡すると、実は、依頼者の工場でカム角センサーは半年前に、純正の新品に交換しているというのである。
クランク角センサーは今回、新品に交換していることは聞いてたがカム角センサーについては聞いていなかった。
新品でも半年で壊れる可能性も無くはないが、仮に半年前に交換したカム角センサーが不良であれば、クランク角センサーと入れ替えた時に、クランク角センサーの波形に異常があってもよさそうである。
とりあえず症状が出ないことにはわからないので、もう一度症状が出るのを待つことにした。
2,3日経っても症状が出ないので、冷機時にしか出ないトラブルということで、クランク角センサーとカム角センサーを順番に冷凍庫に入れて冷やしてみることにした。
しかし、どちらを冷やしても症状は出なかった。
ECUの可能性もあったので念のためにと思い、ECUを冷凍庫に入れて冷やしてみると、エンジンがかからないのである。
しばらくするとエンジンはかかる。
再度、冷やしてみると始動不能。
数回、繰り返したが結果は同じ。
始動不能時のカム角センサーの波形は、2-2-2-1-2-1-2-0の立下り波形だが、最初の1の波形(黄色)が出るタイミングが早く、かつONしている時間が長い。
また、最初の2の前のパターンは2-1-2-0だが、最初の2(青)の初めのON時間が長い。
すぐに、クランク角センサーとカム角センサーを入れ替えてみたが、エンジンはかからなかった。
また、入れ替えてもカム角センサーの波形に異常が見られた。
このことから、カム角センサーが悪いのではなく、ECU不良と判断し交換した。
念のため、注文して持ってきた中古のECUを冷凍庫に冷やしてからかけてみたが、問題なくエンジンはかかった。
結局、ECUの不良だったのだが、不思議なのが、ECUが悪くて、なぜ、カム角センサーの信号に異常が出るのかという事である。
ECUが悪かったのは間違いないことである。
また、始動不能時には必ずカム角センサーに異常があることも間違いなかった。
ECU側から電圧をかけているとはいえ、パターンやON時間に影響が出るとは思えないのだが・・・・
スバルのエンジン回転系センサーは不思議なことばかりが起こる。