燃料不足により吹き上がり不良だったりエンストするステップワゴン。
一般的に、基本的な燃料噴射時間はエンジン回転と吸入空気量で決定される。
その吸入空気量を検出している圧力センサーの信号は問題ない。
あとの信号は補正の信号だが、この状況で吹き上がり不良やエンストになるような補正をするセンサーはO2センサーとスロットルセンサーくらいしかない。(冷機時であれば水温センサーも考えられる。)
ただ、O2センサーは関係ないことは確認済み。
となると、スロットルセンサーくらいしかないが、スロットルセンサーの役割を考えると、それもちょっと考えにくい。
というのも、確かに、スロットルセンサーは発進時の増量(非同期噴射)や踏み込み時の出力増量に関係はしているが、これらが働かなかったからといって、ここまでの吹き上がり不良になったりエンストになるとは考えにくいからである。
こうなると残るはECUしかない。
というか、スロットルセンサーのコネクタを抜くと正常になる時点でECUが怪しかったのである。
前述のように、吹き上がり不良にスロットルセンサーはそんなに関係していないのに、コネクタを抜くと正常なる時点でECUがとても怪しいのである。
また、データモニターで各信号を調べている時に気が付いたのだが、大気圧が66kPaなのである。
通常、大気圧センサーはECUに内蔵されている車もあるが、大気圧センサーは持たずにECU内で演算?推定?している車もあるようである。
大気圧は、一般的には101kPaであるが(気圧、天候、土地の高さによって変化)、それが66kPaとは有り得ない。
いくら大気圧が低いと言ってもスーパー台風が来てもせいぜい90kPa強である。
それが66kPaとは富士山の9合目並み?である。
後者のタイプであればリセットするとよくなる可能性もあるので、ECUのコネクタを外したり、スキャンツールでECUリセットを行ったが変わらなかった。
ECUのカバーを開けて何らかの異常がないと調べると、カバーの裏にゴミが付着しており、アリが5、6匹いた。
まさかこれが原因か!!(笑)
これが悪さをしているとは思えなかったが、清掃したがもちろん良くなるはずもなく、また、コンデンサーなどの液漏れや焼損も無かった。
しかし、ECU以外に考えられないので交換することにした。
ただし、この車はイモビ付なので、デーラーで交換してもらうことにした。
後日、連絡があり、デーラーに持って行った時に「こんな事例は経験ないし、本当にECU不良なの?。」と言われたそうだが、交換すると大気圧は100kPaになり、吹き上がりも正常になったそうである。
デーラーで作業してもらい、万一、よくならなかった場合は我が社の面目は丸つぶれであったが、良くなってほっとした次第である。