アクセルペダルを急に踏み込むとエンジンが吹き上がらずにエンストすることもあるという平成16年式ステップワゴン(RF5,K20A)が同業者から持ち込まれた。
ゆっくり踏み込めばいいのかと聞くと、いい時も悪い時もあるという。
依頼者の工場でも色々と点検しており、プラグ、IGコイルは新品に交換し、スロットルボデーASSY(ISCV、スロットルセンサー付き)は中古に交換しているようである。
不思議なのが、スロットルセンサーのコネクタを抜くと不具合が出ないという。
実際に症状を確認すると、アクセルペダルを急に踏み込むと、確かに吹き上がらない。
その時にはバックファイヤーを伴っていた。
燃料不足だろうと思い、O2センサーを調べると、やはりリーン状態だった。
念のため、吹き上がりが悪い時にパーツクリーナを吸わせてみると吹き上がった。
やはり、燃料不足には間違いなさそうである。
ただ、気になるのが、スロットルセンサーのコネクタを抜くと問題ないということ。
そんなことが本当にあるのかと思いコネクタを抜いてみた。
すると、確かに問題なく吹き上がる。
燃料不足とスロットルセンサー。
どう考えても結びつかない。
しかし、燃料不足という事は間違いないので、最も怪しい圧力センサーを点検。
スキャンツールで確認すると、キーONで100kPa、アイドル時は約35kPaと問題ない。
バキューム通路の詰りなどでの反応遅れの可能性もあるので、スロットルセンサーと合わせてオシロスコープで点検。
しかし、共に問題ないと思われる波形だった。
念のため、O2センサーのコネクタを抜いてみたが、結果は同じだった。
次に燃圧を点検したが3.5㎏/cm2と正常。
燃料不足であれば噴射時間が短いかもしれないと思いインジェクタの波形を点検。
レーシングすると、MAX7ms位しかない。
少し短いような気がする。
スロットルセンサーのコネクタを抜き、正常な状態で測定すると10msを超えた。
やはり噴射時間が短いように思えた。
燃圧も圧力センサー、スロットルセンサー、O2センサーも問題ない。
なのに吹き上がらないほどの燃料不足とは、何が原因なのか???
つづく