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Channel: 自動車整備士駆け込み寺 喝っ!
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入口側エバポレータ温度センサ②

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マグネットクラッチがONしないというワゴンR。
 
原因はエバポレータ出口側の温度検出用のサーミスタの特性ズレであったが、この車にはエバポレータ入口側の温度検出用のサーミスタもあった。
 
 
なぜ、エバポレータの入口側温度の検出が必要なの?
 

解説書を見ると、「エバポレータの入口側の空気温度によってエアコンの稼働率を調整し、エアコン作動時の燃費向上を図った。」と書かれていた。
 
つまり、エバポレータの入口側の空気温度が寒い時は、エアコンをONさせる必要が無いのでONさせずに燃費が悪くならないようにするという事ではないかと思われる。
 
 
では、具体的にどうするのかというと次の通り。 


特性図を見ると、入口側の温度によって、A/Cをカットする出口側の温度を変えている。
 
 
イメージ 1
 
 
通常、エバポレータ出口側のサーミスタが2.5℃以下になるとマグネットクラッチをカットしている。

しかし、この車は、入口側の温度が28℃以上の時は同じく2.5℃以下になるとカットと同じだが、温度が下がるにつれてエアコンカットの温度が上がる。

最大は、入口側温度が18℃の時は、エアコンカット温度は12.5℃まで上がるのである。
 
これを可変サーミスタ制御と言うらしい。
 
確かに、冬場の寒い時期、室内温度が低いのに更に温度を下げる必要はない。
 
よって、これでも問題ないように思えるが、この特性図を見ているとあることが頭に浮かんだ。
 
 
それは、室内温度が12.5℃以下の時は、マグネットクラッチはONしないのではないかという事である。


仮に冬場でエンジン始動直後の室内温度が10℃だとする。
 
すると、エバポレータの入口側が10℃なのでA/Cカット温度は12.5℃である。

つまり、エバポレータ後温度が12.5℃以下になるとマグネットクラッチをOFFにするのである。
 
始動直後であれば、エバポレータの入口も出口もほぼ同じなので10℃である。
 
ということはマグネットクラッチは最初からONしないのではないか。
 
これはこういった制御がない車でも同じだが、一般的なエアコンカット温度(エバポレータ出口側温度)はだいたい2~4℃くらいである。
 
よって、真冬(室内温度が2℃以下くらい)であればエアコンがONしないことはある。

このくらい寒ければエアコンなんて必要ないので問題ないのだが、あることが気になった。


それは、エアコンは冷やすだけではなく除湿も行っている。
 
よって、ガラスが曇っている時は除湿が出来なくて困るのではないかということである。
 
しかし、資料をよく読むと「デフロスタ制御」なるものがあり、「デフロスタを選択した場合、可変サーミスタ制御は中断し、エアコンカット温度を2.5℃に固定する。」とあった。
 
要は、曇り止めを行うデフロスタをONにすると、普通のエアコン制御に戻すというのである。
 
 
納得である。

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