ブロアファンが全く回らないという平成20年式タント(L350S、EF)
回路は図のように一般的なパワトラ(ブロワモータコントローラ)を使った回路。
まずは原因がファン側かパワトラ側かを切り分けるために、ブロアファンスイッチON時、ブロアモーターの端子で電圧を測定。
すると、電源側、アース側が共に12V。
アース側が12Vということは、パワトラがアースに落としていないということになる。
パワトラ側に原因があった。
次にパワトラ部の端子で電圧の点検。
すると、1のアースはほぼ0V、2の制御信号はスイッチがどのポジションでも10V、3(モーターのアース側)と4は12V。
このなかでおかしいのは2番の制御信号。
本来、この端子はブロアスイッチに位置により、2~3Vで変化しないといけないはず。
パワトラが正常であれば、その制御信号を受けて3と4番の電圧が変化する。
こ2番端子が10Vあって、常にMAX風量であれば、エアコンアンプ側の不良であるが、10Vあってファンが回らないという事は、パワトラの不良である。
パワトラの交換で良くなるのだが、このパワトラが壊れた時はパワトラを交換するだけではなく、エアコンフィルタやエバポレータの目詰まりを点検する必要がある。
何故かというと、このパワトラはかなり熱を持つので、通常、冷却用のヒートシンクを備えており、ファンの風を使い冷却している。
よって目詰まりすると、パワトラの温度が上がり、パワトラ内の温度ヒューズが切れるのである。
このことは、パワトラではなくレジスタを使ったタイプも同じことがいえる。
さっそく関連する部分の点検を行ってみると、エアコンフィルタの目詰まりがひどかった。
もしかすると、新車から一度も交換していない可能性がある。
エアコンフィルタがない車については、エバポレーターのフィンの目詰まりを点検する必要がある。