まず、チェックランプ点灯後、ミスしているシリンダを特定するためにパワーバランステストを行うと、3番と4番シリンダがミスしていることがわかった。
2つシリンダがミスしているので、それぞれのインジェクタの共通である電源(COM3端子)の不良の可能性がある。
しかし、このシステムは1つのインジェクタ系統に異常があると正常なほうも停止させるようになっているのである。
以前、「チェックランプ点灯(P1215)/クラウン」という記事を書いたが、その時も2つのシリンダがミスしていたのだが、始動直後は1つのシリンダがミスしていた。
結局、その時はEDU不良だった。
まずはインジェクタの点検を行った。
結果は6本とも約3,2Ωと問題なかった。
次に各信号をオシロで調べることにした。
まずは3番のインジェクタ(INJ#3)と駆動確認信号を調べた。
すると、3番シリンダは正常だったが4番シリンダと思われる駆動確認信号がなかった。
駆動確認信号と3番シリンダの駆動指示信号
3番シリンダは、始動直後は駆動信号も確認信号も出ており実際にはミスしていなかった。
しかし、駆動確認信号は4番と思われる信号部分が欠けていることが推察された。
この時点では1気筒(4番)だけがミスしていた。
次に4番のインジェクタ(INJ#4)の波形と、駆動確認信号を調べた。
駆動確認信号と4番シリンダの駆動指示信号
4番シリンダは指示信号も確認信号も出力されていなかった。
そして3番シリンダは少しすると、フェイルセーフが働いて駆動指示信号が出力されなくなってしまった。
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番、4番共に指示信号も確認信号もでなくなった。つまり、2気筒がミス。エンジンECUからの駆動信号であるIJt#4端子が正常であればEDUの不良なので調べると、予想に反してエンジンECUからのIJt#4信号が入力されていなかった。
エンジンECUからIJt#4(#40)信号が出力されているのかと思い、ECUの#4端子の波形を調べた。
するとエンジンECUからIJt#4(#40)信号が出ていないことが確認された。
IJt#4端子とアース間での短絡を点検したが問題なかった。
つまりエンジンECUの不良ということである。
念のためクランク角センサとカム角センサの異常がないかを調べたが問題なかった。
まさかとは思ったが、エンジンECUの不良であった。
イモビの関係があったので新品のECUと交換し完治した。