アイドル不調の平成15年式ブレビス(TA-JCG10、1JZ-FSE)
症状を確認すると、始動直後からアイドル不調だが、数秒後にチェックエンジンランプが点灯。
すると、それまでのアイドル不調に輪をかけて不調になった。
始動直後は1気筒の失火でランプ点灯後は複数気筒が失火しているという感じである。
ダイアグノーシスを点検するとコードP1215(EDU異常)を表示。
この車はD-4エンジンであり、インジェクタは12Vで駆動ではなく高電圧で駆動している。
その駆動するユニットがEDU(インジェクタドライバー)である。
コードP1215(EDU異常)は一般的に考えるとEDU不良だが、トラブルコード名だけでその部品を交換するのは危険である。
どういった異常検出をしているかを理解しないといけない。
調べるとこのコードの場合は、異常状態は「インジェクタドライバ通信回路の短絡、断線」(赤線)となっているが、回路の説明のところには「インジェクタドライバの動作は常時エンジン制御ECUが監視し、ドライバ系統およびインジェクタに異常が起きた場合は、該当気筒の噴射制御の停止およびインジェクタリレーの通電カットを実施し、エンジンコントロールコンピュータよりチェックランプを点灯させる。」(黄色線)となっている。
また、このコードが出た場合の点検箇所は、ハーネス、コネクタ、インジェクタドライバ(EDU)、そしてエンジンECUとなっている。
ここで気をつけなければいけないのがインジェクタである。
回路の説明及び過去の経験から、インジェクタが断線していてもこのコードを出すので注意が必要である。
(修理書の点検箇所にインジェクタがないが点検する必要はある。もしかして「ハーネス」にインジェクタは含むの?)
また、回路を見ると、エンジンECUからEDUに駆動信号を出力してEDUがインジェクタを駆動する。
そして、駆動したという確認信号をEDUからエンジンECUのINJf端子に入力をしているようだった。
ダイアグコードP1215の異常検出の仕組み、インジェクタドライブ回路がわかったところで診断を開始。
つづく