エンジン始動不能の平成15年式ノア(AZR60G、1AZ-FSE)
キーONにすると電動ファンがMAXで回り始めた。
DTCを確認すると、P0110(吸気温センサー系統)とP0115(水温センサー系統)や他にも多数のコードを記憶していた。
データーモニターで水温を調べると-40℃の表示。
これでは電動ファンが回るはずである。
水温センサーと吸気温センサーの電圧をセンサー部で測定すると共に0V。
コネクタを外して測定しても0V。
また、他のセンサーの数値も明らかにおかしい。
こうなるとECUが怪しいが、このエンジンはD-4エンジンなので例のところを調べる必要がある。
ECUのコネクタを外してコネクタのVc端子とボデーアース間の抵抗を調べると1.3Ωしかない。
やはりVc系統がショートしているようである。
ピンときた方もいるだろうが、例の所というのは燃圧センサーである。
このVc電源は燃圧センサーの他には、バキュームセンサー、ブレーキブーストセンサー、スロットルセンサー、アクセルポジションセンサーの電源にもなっていた。
燃圧センサーのコネクタを外すのは容易ではないので、その他の4つセンサーのコネクタを外してみたが、やはりショートは続いていた。
これらの配線のショートの可能性もあるが、1.3Ωという抵抗と過去の事例から燃圧センサー自体のショートの可能性が高い。
燃圧センサーのコネクタを外すとショートはなくなった。
過去にあった「始動不能の平成18年式レクサスLS460」は1秒ほどクランキングできるがその後はできない。その後はスキャンツールとの通信が出来なくなるといったもの。
また、「始動不能の平成13年式マークⅡ」ではスキャンツールの通信は出来るが始動できないといったものだった。
記事以外にもVcショートはあったのだが、このVcショートは様々な症状をだすようだ。
古い車だとECUが作動しなかったのでスキャンツールの通信ができなかったが、平成の二桁くらいになると、センサーのVc電源とECUを作動させるVc電源はどうも別のようで、スキャンツールの通信はできるが始動ができない車が多いようだ。(D-4エンジンに限ってかもしれない)