アイドル不調及びチェックランプが点灯しダイアグコードP1330を表示するというセルシオ(UFC31、3UZ)
知り合いの工場からの依頼。
パワーバランステストで7番シリンダのミスは確認済み。
IGコイルやプラグを他のシリンダと入れ替えても7番がミスするとのこと。
アイドル不調時、7番シリンダの火花が飛んでいるかと聞くと「飛んでいる」とのこと。
インジェクタの作動音はあるのかと聞くと「ある」とのこと。
それだとエンジン本体の不良ということになるが、人が点検したことなど当てにならない。
自分で調べ直すことにした。
まずはダイアグノーシスである。
依頼者が言うようにコードP1330を表示した。
消去後も同じである。
コードP1330は「プラグ クスブリ」というコードである。
このコードは点火系異常に表示するコードだが、はじめてこの「プラグ クスブリ」というコード見たときには、なんでこんな表示なのかと不思議に思ったものである。
使っていた診断機メーカーは、自動車メーカーのデーターを使っている数少ない診断機メーカーの1つである。
その診断機メーカーに「このコードの表示はおかしいのではないか?」とメールを出したが、返事は「自動車メーカーから出されたデーター通りなので問題ない」との回答。
(自動車メーカーに気を使って変えられないのかも?)
本当にプラグのクスブリをみているのか?
答えはNOである。
修理書では、異常状態を「IGT信号が出力されているにもかかわらずIGF信号が入力されない」というふうになっている。
つまつ、トヨタの独自のコードでいうところのコード14(点火系)なのである。
このことをわかった上で調べれば問題ないので、まずは点火系のIGf信号を調べることにした。
オシロのプローブをセットしようと7番シリンダのIGコイルに触ると、エンジンの調子がよくなったり悪くなったりする。
よく見ると、ハーネス途中に配線を切りつないだ形跡があった。
テーピングを取ると、配線のつないでいる部分のハンダが取れていた。
左バンクの4つのコイルが同じように切りついだ跡があったので残りも調べると、3個中2個のコイルで同じようにハンダが取れかかっていた。
中古車で前歴がわからないので、なぜこんなことをしたのか分からないが、ハンダのつけ方がお粗末過ぎたようだ。