今回は、ユニット(ECU等)を使ったシステムの中でも最も簡単な部類のトラブルが入庫してきたので、それを使ったトラブルシュートの方法を紹介する。
このブログを見ている多くの方にとっては当たり前のことかもしれないが、意外とトラブルシュートの基本を知らない人がいるようである。
ただし、これらは私個人の考えであり必ずしも正しいわけでもなく、ケースバイケースで、他の方法が早くて確実なこともあることはご了承願いたい。
ユニット(ECUを含む)を使ったシステムは、車のある部品を動かすために電気的な部品(アクチューエータ)があり、それはユニット(ECU等)によって駆動される。
また、駆動させるためには車の状態を検出しないといけないわけだが、それを行っているのがセンサーである。
こういったユニット(ECU)を介した制御機構の点検方法としては、アクチュエータ部(①)もしくはユニット(ECU)のアクチュエータへの端子電圧(②)を測定するに限る。
今回はイグニッションキーがLOCK位置にならないというトラブルだが、①を
測定した場合、このアクチュエータに正しい信号が来ているのにイグニッションキーがLOCK位置にならなければ、キーシリンダ側の機械的な不良である。よって、①より左側は点検する必要はない。
①が不良であれば、原因は①より左側にある。
その場合は、②でユニットから正しい信号が出ているかを確認する。
①が不良で②が正常であればユニット~アクチュエータ間の不良。
②も不良であれば、アクチュエータに作動させる条件(センサーの信号)がユニットに正しく入力されているかを③のように調べる必要がある。
③が正しく入力されているのに、アクチュエータに信号が出てないのであればユニット関係の不良なので、④の電源とアースを調べ、ともに問題なければユニットの不良である。
③が正しく入力されていなければ、センサー側(⑤)での点検が必要となる。(ECU不良の可能性もあり)
文字にすると複雑に感じるが、こういったシステムの電気信号は左から右側に流れているので、点検した箇所が正常であれば原因はそれより右側にあり、不良の場合は、点検個所より左側にあるということである。
つづく