イグニッションキーがLOCK位置から回らないという平成8年式クラウン(JZS151)
通常、ATの場合、PレンジにしないとLOCK位置にならずにキーが抜けない。
いわゆる「キーインターロック機構」と呼ばれるものである。
どうもこのシステムに関係がありそうである。
回路は次の通り。(シフトロック機構も含む)
今回の場合、キーンターロック機構のアクチュエータはキーインターロックソレノイドなので調べるのはKLS+端子である。
関連するセンサーはPレンジ検出のP1端子とP2端子。
ユニットの電源はIG端子とACC端子、アースはE端子。
ストップスイッチのSTP端子とシフトロックソレノイドのSLS+とSLS-はシフトロック用のアクチュエータとセンサーなので関係ない。
書き直せば次のようになる。
つまり、最大でも6本の端子を調べればどの系統が悪いのかわかるのである。
たぶん、10分もかからないと思われる。
これらのことがわからないと、まず、キーインターロックソレノイドを交換し、次にシフトロックコントロールSWを交換、それでも駄目だとキーシリンダを交換しお手上げとなるのである。
前回説明したように、まずはアクチュエータの駆動信号を調べるわけであるが、測定はアクチューエータ側でもユニット側でも構わない。まずは点検しやすい方でいいと思う。
ただし、後々(センサーの信号を点検する必要がある場合)のことを考えればユニット側での測定が望ましい。
では、今回の実際の点検手順を説明する。
シフトコントロールコンピュータはシフトレバー部にあり、簡単にアクセスできそうなのでユニット部で点検することにした。
Pレンジ、キーACCでKLS+端子の電圧を測定すると約6.5V。この状態でLOCK位置に回そうとしたが回らなかった。
何度か試すとLOCK位置に回すことが出来たがその時は約3Vだった。
本来は、Pレンジであればキーインターロックソレノイドへの通電はACC,ONでも0VでLOCK位置に回すことが出来る。
Pレンジ以外だと8.5VでLOCK位置に回すことが出来ないようになっている。
つまり、ある電圧以上であれば動きが動きが制限され、0Vであれば制限されずに動かすことができるのである。
それが、Pレンジなのに約6.5Vあった。
基準値の8.5V以下とはいえ、6.5VあればキーロックソレノイドがONしているのでキーが回らない可能性がある。
それが時々3V位まで下がることがあり、さすがにこの電圧ではキーインターロックソレノイドは作動しないとみえ、キーがLOCKまで回るようである。
アクチュエータへの信号が不良なので、ユニットより左側が原因ということになる。
このような中途半端な電圧が出ているということは、入力側の問題ではなくユニットもしくはECUのアース不良と思われる。
ユニットの電源とアースを調べたが問題なかった。
念のため、入力のP1、P2端子を調べたが、PレンジとPレンジ以外では電圧変化があり問題なかった。
こうなると間違いなくユニットの不良である。
年式が年式なので内部を点検すると、しっかりと漏れていた。
トヨタさん、エンジンECUだけじゃなかったのね。(^_^;)