燃料計が上がらないという平成16年式ワゴンR(MH21S、K6A)が、知人の工場から持ち込まれた。
以前から、時々針の動きがおかしかったようであるが、最近はほとんど上がらなくなったというのである。
今までの点検内容を確認すると、フューエルレベルセンサー部で信号端子をアースしてもメーターは全く上がらないということでまずはメーターを交換。
それでも変わらないということでフューエルレベルセンサーを交換。
しかし、燃料は入っているのに針はほとんど上がらないという。
メーターもセンサーも中古なので当てにはならないが、問題ないとすれば配線の不良しかない。
難しいトラブルではないが、どうもテスターを使っての診断が苦手のようで、診断を依頼された。
メーター部での測定が必要だろうと思いファイネスで配線図を印刷。
見ると、昔ながらの回路ではなく、メーターECUで燃料計を制御するタイプになっていた。
持ってきた時にはメーターが簡単に外れる状態だったので、コネクタを抜いてセンサー側の抵抗を測定。
すると約170Ωだった。
基準値は、Fラインで10Ω、中央で65Ω、Eラインで120Ωだった。
それが170Ωもあれば当然、針は上がらないはずである。
燃料はどのくらい入っているのかと尋ねると10リッター以上は入っているという。
単純に考えて80Ω前後じゃないといけないと思われる。
センサー側の不良なのでメーターは問題ないはず。
確認のため、コネクタをつないでフューエルレベルセンサーの端子電圧を測定すると約5V。
メーターが正常であれば、信号線をアースすればFラインまで上がるはずだと思アースしてみた。
しかし、針は全く上がらない。
え?そんなはずはない。
アースされてないのかと思い電圧を測定するとほぼ0V。
確実にアースされている。
なのに針は上がらない。
????
点検の仕方が間違っている?
測定端子が間違っている?
なんどやっても同じ。
交換前のメーターもあったので、戻して同じようにアースしたが、全く動かない。
なぜだ?
もしかすると、アースするとメーターECUはショートと判断し動かさないのかもしれない。
もしそうだとすると、任意の抵抗を入れれば動くはず。
可変抵抗を用意し、基準値の抵抗にしてみた。
すると、10ΩでFライン、65Ωでほぼ中央になった。
やはり、メーターは問題なかった。
理由はわからないが、昔のようにセンサー信号をアースしても針は動かないのである。
間違いなくセンサー側に原因があるようである。
ここまでくれば、あとは簡単である。
つづく