メーター部でフューエルレベルゲージ側の抵抗を測定すると約170Ω。
基準値は、Fラインで10Ω、中央で65Ω、Eラインで120Ωだった。
ということは原因がセンサー側にあるのは間違いない。
フューエルレベルゲージは交換しているので、途中の配線に接触抵抗でもあるのかもしれないと思い点検。
フューエルレベルゲージはタンクを降ろさないと点検できないのだが、資料を調べるとリヤシート下に中間のコネクタがあることが分かった。
その部分で調べても約170Ω。
こうなると、この中間コネクタからタンクのフューエルレベルゲージのコネクタまでの配線、レベルゲージ部のコネクタ、もしくはレベルゲージ自体の不良ということになる。
これ以上は燃料タンクを降ろさないとできないので外してみた。
単体点家をしたが同じく170Ω。
原因はレベルゲージ自体だった。
元々のレベルゲージは錆びだらけで、抵抗値を測定したが接触不良個所が多く悪いのは間違いない。
しかし、交換したレベルゲージも不良ということになる。
見た目ではそんなに悪い感じはしなかったのでなぜだろうともっていたら、外したレベルゲージのフロートと元々のセンサーのフロートの形状が違うことに気が付いた。
上が中古、下が元々の部品。
中古品はこの車のものに間違いないのかと依頼者に尋ねたが、車検証で探してもらったので多分大丈夫とのこと。
解説書で調べると、エンジン(DIターボとNA、Sターボ)によってフロートの形状が違うことが分かったが、基準値に違いはなかった。
また、年式によって抵抗値が違うことも分かった。(新しいほうが抵抗値が大きい)
可能性としては年式違いのレベルゲージだった可能性がある。
そんなに高いものでもないし新品の部品を注文してもらい交換すると正常に動き出した。
疑問に思っていたので、交換後、4割くらいのところを支持している状態で、レベルゲージ信号をアースしてみた。
すると、針は徐々に下がってEラインを下回った。
やはり、アースする異常と判断し下げるようである。
こうすれば少なくともガス欠は防げるわけである。
軽自動車もここまできたか。。。
もう一つ疑問が。。
この車NAなのでフロートの形状は資料では四角である。
なのに元々ついていたフロートも新品のフロートも丸である。
修理書が違うのか?
調べると、同じ年式のアルトの24系はEラインで280Ω、中央で165Ωだった。
よって、4割くらい燃料が入っていたのであれば170Ωだったのも当然である。
アナログ時代のやり方では誤診断する可能性が出てきたようか気がする事例であった。