アイドル不調になることが多いという平成12年式セルシオ(UCF31、3UZ)が同業者から持ち込まれた。
その工場で調べた結果、右バンクが失火気味だったので左右のIGコイルを入れ替えてみたそうだが、変化はなかったようである。
また、プラグは全数交換したそうである。
ダイアグを調べると10個ほどのコードを表示した。
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入庫した時点では不具合は発生していなかったが、右バンクが失火気味だったこととダイアグコードP1354(VVT系統)があることより、VVTの目標変位角と実際の変位角を調べることにした。
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ストール状態にすると、バンク1は目標と実変位角は約40度とほぼ同じであったが、バンク2は目標39度にたいして0度だった。
つまり、右バンクのVVTは作動してないことになる。
目標に達しないので作動信号のデューティ比は最大の100%になっている。
このことから右バンクのVVTが機械的に動いていないことになる。
いちばん怪しいのはOCVなので外して中のプランジャーを動かしてみると、手には「ゴリゴリ」感があり、押し込んだ状態から元には戻らなかった。
プランジャが出たままのOCV
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正常な位置にある状態
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プランジャが出たまま組み付けてエンジンをかけるとアイドル不調になった。
その時のデーターが下。
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グラフにしてそのままストールテストなどをした時の波形が下。
右バンクの動きが悪いのがよくわかる。
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この動きの悪さから、一旦、進角して固着するとしばらくアイドル不調が続き、なにかのショックでもとに戻ると安定したアイドリングに戻っていたようである。
念のため、左バンクのOCVも外して調べたが、プランジャはスムーズに動いていた。
右バンクのOCVを交換し納めた。