Pレンジなのにセカンダリプーリの回転数が上がっている。
(プライマリプーリは0回転)
その状態でタービン回転センサーのコネクタを抜くと、そのセカンダリプーリ回転数がゼロになる。
このことから、タービン回転センサーの信号がセカンダリプーリ回転センサーとしてECUに入力されているということになる。
セカンダリプーリ回転センサーのコネクタを抜いている状態で、Rレンジにして回転を上げると、セカンダリプーリの回転数が上がっていく。
このことから、セカンダリプーリ回転センサーの信号はセカンダリプーリ回転センサーとしてECUに入力されているということになる。
なぜ、こんなことが起こるのか?
考えられることは1つ。
それはタービン回転センサーとセカンダリプーリ回転センサーがショートしているとしか考えられない。
それを確認するためには、タービン回転センサーの信号を確認したい。
しかし、スキャンツールは依頼者の工場のもので、タービン回転センサーの項目がなかった。
念のためにとデンソー製のDST-2を持ってきていたのでそれで調べることにした。
すると、タービン回転数を見ることが出来た。
Pレンジでプライマリが0回転、セカンダリが600回転、タービンは700回転だった。
タービン回転センサーのコネクタを抜くと、セカンダリとタービンはともに0回転になった。
これでタービン回転センサーとセカンダリプーリ回転センサーがショートしていると確信が持てた。
その状態でRレンジにしてバックさせると、プライマリ、セカンダリ共に回転が上がっていった。
サーキットテスタを使い、抜いているタービン回転センサーのコネクタの端子電圧を測定すると、回転に比例して電圧が上がった。
間違いなくショートである。
セカンダリプーリ回転センサー、タービン回転センサー、ECUのコネクタを抜いて、セカンダリプーリ回転センサーとタービン回転センサー間の抵抗を測定すると約300Ωと400Ωだった。
やはりショート気味であった。
それも2本ともショートである。
ただし、アース間との抵抗は∞Ωだった。
そうしているうちに両回転センサー間の抵抗が∞Ωになってしまった。
これで正常に動くはずと、全てのコネクタを接続し、Rレンジにするとやはり正常にバックした。
両回転センサーとECU間は50cmくらいしか離れていないので、ワイヤハーネスのカバーやテーピングを全部取って調べたが、ショートらしき箇所はなかった。
300Ω、400Ωという抵抗値から配線同士のショートとは考えにくい。
あるとすればECUのコネクタ部での水や錆、汚れではないかと思われたので、コネクタ部のカバーを外して調べたが、こちらも特に怪しいと思われる箇所はなかった。
結局、それ以降、不具合が発生し無くなってしまい、原因はわからず仕舞である。
念のため、線間ショートを防ぐために両回転センサーの配線はテーピングにより保護し、コネクタ部はパーツクリーナとエアブローで汚れを落として清掃しておいた。
あれから数か月経つが再発はしていないようである。
それにしても原因の部位はどこであったのだろうか?
ところでこの車、セカンダリプーリ回転センサーとタービン回転センサーのショートが原因だったことは間違いないのだが、なぜ、バックしなかったのであろうか?
気になったので調べてみた。
つづく