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Channel: 自動車整備士駆け込み寺 喝っ!
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バックせず/ヴィッツ③

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Pレンジなのにセカンダリプーリの回転数が上がっている。
(プライマリプーリは0回転)
 
その状態でタービン回転センサーのコネクタを抜くと、そのセカンダリプーリ回転数がゼロになる。

このことから、タービン回転センサーの信号がセカンダリプーリ回転センサーとしてECUに入力されているということになる。


セカンダリプーリ回転センサーのコネクタを抜いている状態で、Rレンジにして回転を上げると、セカンダリプーリの回転数が上がっていく。

このことから、セカンダリプーリ回転センサーの信号はセカンダリプーリ回転センサーとしてECUに入力されているということになる。


なぜ、こんなことが起こるのか?




考えられることは1つ。



それはタービン回転センサーとセカンダリプーリ回転センサーがショートしているとしか考えられない。
 
 
それを確認するためには、タービン回転センサーの信号を確認したい。

しかし、スキャンツールは依頼者の工場のもので、タービン回転センサーの項目がなかった。


念のためにとデンソー製のDST-2を持ってきていたのでそれで調べることにした。
 
すると、タービン回転数を見ることが出来た。


イメージ 1
 
Pレンジでプライマリが0回転、セカンダリが600回転、タービンは700回転だった。

タービン回転センサーのコネクタを抜くと、セカンダリとタービンはともに0回転になった。

これでタービン回転センサーとセカンダリプーリ回転センサーがショートしていると確信が持てた。
 
その状態でRレンジにしてバックさせると、プライマリ、セカンダリ共に回転が上がっていった。
 
サーキットテスタを使い、抜いているタービン回転センサーのコネクタの端子電圧を測定すると、回転に比例して電圧が上がった。
 
間違いなくショートである。
 
セカンダリプーリ回転センサー、タービン回転センサー、ECUのコネクタを抜いて、セカンダリプーリ回転センサーとタービン回転センサー間の抵抗を測定すると約300Ωと400Ωだった。
 
やはりショート気味であった。
それも2本ともショートである。

ただし、アース間との抵抗は∞Ωだった。
 
そうしているうちに両回転センサー間の抵抗が∞Ωになってしまった。
 
これで正常に動くはずと、全てのコネクタを接続し、Rレンジにするとやはり正常にバックした。
 
両回転センサーとECU間は50cmくらいしか離れていないので、ワイヤハーネスのカバーやテーピングを全部取って調べたが、ショートらしき箇所はなかった。
 
300Ω、400Ωという抵抗値から配線同士のショートとは考えにくい。

あるとすればECUのコネクタ部での水や錆、汚れではないかと思われたので、コネクタ部のカバーを外して調べたが、こちらも特に怪しいと思われる箇所はなかった。
 

結局、それ以降、不具合が発生し無くなってしまい、原因はわからず仕舞である。

念のため、線間ショートを防ぐために両回転センサーの配線はテーピングにより保護し、コネクタ部はパーツクリーナとエアブローで汚れを落として清掃しておいた。
 
あれから数か月経つが再発はしていないようである。
 
それにしても原因の部位はどこであったのだろうか?
 
 
ところでこの車、セカンダリプーリ回転センサーとタービン回転センサーのショートが原因だったことは間違いないのだが、なぜ、バックしなかったのであろうか?

気になったので調べてみた。

つづく

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