始動性が悪く、始動後もアイドル不調でアクセルペダルを踏み込むとエンストも発生するという平成15年式セドリック(QJY31、NA20)
LPG車で同業者から依頼された。
同僚が受けた仕事なのでが、主として調べたわけではなく手伝い程度のトラブル車である。
クランキング状態からはどうも濃いことが予想された。
古くなると、LPG車のベーパーライザーはどちらかというと濃くなる傾向にあり、また、冷機時に始動しづらいものである。
とは言ったものの明らかに始動性が悪く、始動出来てもエンストしてしまう。
排ガスを測定すると、明らかに濃い状態だった。
その時に、不可思議な現象が起こった。
測定中にエンストしたのだが、エンスト後、排ガステスタのHC値がどんどんとあがり50000ppmを超えたのである。
あまりの数値にプローブを抜いたのだがまだまだ上昇する気配だった。
空燃比が濃いと言ってもエンスト後にこんなにHCが上がるのは異常である。
とりあえずミキサー部のエアダクトを外して点検することにした。
パーツクリーナーを吸わせたり、吸気系にエアを吸わせたりしていたのだが、エンジンを止めたあとにミキサー部の上部が蜃気楼みたいに空気が揺らいでいることに気が付いた。
何だろうと近づくと、LPガスが出ていた。
それは数秒だったが、明らかにおかしい。
エンスト後のHCの原因はこの現象によるものだったが、なぜ、こんなことが起こるのか?
つづく