始動性がかなり悪いセドリック。
エンジンを止めても数秒間ミキサーからLPガスが出てる。
これが正常なのか?
LPG車は詳しくないが、とても正常とは思えない。
では、なぜ、こんなことが起こるのか?
また、どこからLPガスが出ているのか?
ミキサーにはベーパーライザーから燃料が供給されているが、その経路はスロー系とメーン系に分かれる。
調べると、メーンのホースを外してキーをONにすると、明らかに圧力を感じる。
今回のLPガスはメーンから出ていることがわかった。
それも手で感じるくらいの圧力である。
えっ、手で感じる?
一般的に、ベーパーライザーではタンクからのLPガスを1次減圧(0.3~0.35㎏/cm2)し、それを2次減圧(ほぼ大気圧)したものをミキサーに吸い込ませているはず。
よって、通常、ミキサー部で圧力を感じるということはない。
それが圧力を感じるということは、1次圧がそのまま供給されているのかもしれない。
つまり、ベーパーライザーの不良である。
依頼者に確認すると、ベーパーライザーは1度も交換していないということで、リビルト品に交換することになった。
勉強のため交換する前に分解をしてみた。
すると、ダイアフラムに亀裂を発見。
やはり1次圧がそのまま供給されていたようだ。
数日後、部品が到着したので交換したが、なんか、始動性が悪い。
始動出来てもアイドリングが不安定。
アイドルアジャストスクリューを調整して、いい状態にすると安定するが吹き上がりが悪い。
どちらかというと、今度はリーンで不調。
リビルト品でも調整がきちんとできているとは限らない。
通常、触らないメーンのアジャストスクリューで何とか走れるようになったがイマイチ。
色々と行い、暖気後に調子がいい状態にすると、冷機時が不調。
冷機時をよくすると暖機後がおかしい。
こちらも正しい調整方法をしっているわけではないのでこれが限界。
何かいい方法がないかとファイネスを見ていたら、「仕様変更 等」の中に「Y31 K30 LPG営業車の不具合対応の手引き」という項目があり、詳細な調整方法が記載されていた。
それを元に調整を行うと、冷機時でも暖機後でもアイドリングや吹き上がりは良くなった。
唯一、冷機時の始動性が若干長いような気もするが、ガソリン車と比較しての場合であり、LP車ではこんなものかもしれない。
その資料にも、冷機時の始動性悪く、特に水温50度以下の再始動性は1分位かかる場合があるとも書かれている。(さすがに長過ぎ?)
今回、初めて知ったのだが、アイドリングでもメーンから3割の燃料が出るように調整しないといけないようである。
LP車も勉強すればそんなに難しくないのであろうが、如何せんその機会が少ないせいもあって、勉強不足を痛感する。