年末休暇に入った昨年末、勉強会に参加している後輩のOから携帯に電話。
嫌な予感!(^_^.)
「20プリウスなのですが、メーンリレーってどこにありますか?」という問い合わせ。
どうしたのかと尋ねると「READY ONにすると、メーター内の表示が一瞬点灯し全てがOFFになるのでメーンリレーが怪しいかと思うのですが・・・・・」というとんでもないトラブル。
車は平成17年式プリウス(NHW20)。
キーONになるのかというと、それも駄目だという。
スキャンツールは使えるのかというと、通信不能らしい。
HV用のメーンリレーは3つのリレーとレジスタで行うタイプで、バッテリパックに中にあることを伝えたが、それよりもまず、補機バッテリまたはHVバッテリが正常かを調べるように説明しておいた。
しばらくして電話があり、補機バッテリにはブースタケーブルをつないだが変化はなく、HVバッテリも電圧を測定すると210Vくらいあるので問題ないという。
READY状態にもONにもならないで調べようがないので、とりあえず全てのヒューズを調べるように説明し電話を切った。
その後、電話がかかってこないのですっかり忘れていたのだが、年明け早々電話があり、年始の挨拶が終わると「先日のプリウスなのですが、ヒューズを調べるとAM2ヒューズが切れていました。」とのこと。
しかし、交換してREADY ONにするとすぐに切れるらしい。
AM2ヒューズの負荷を調べると、2系統に分かれており、1つはヒューズからイグニッションコントロールコンピュータに入力していた。
もう1つはIG2リレー経由でイグニッションコイル、インジェクタ、インバーター用ウォータポンプに接続していた。
不具合箇所の切り分けをするために、まずは、ヒューズを外して負荷側とアース間で抵抗を調べてもらった。
結果は、∞Ω。
配線のショートではなさそうである。
しかし、∞Ωだからといってこの系統が正常とは限らない。
それは抵抗をIG OFFで調べているからであり、READY ONにするとイグニッションコントロールコンピュータ経由でショートの可能性もあるからである。
これ以上は後回し。
もう1つの系統は、IG2リレーの接点の負荷側とアース間での点検が必要だが、調べるとこのIG2リレーはリレーボックスに内蔵タイプで、簡単には点検できそうになかった。
とりあえずインバーター用ウォータポンプ、インジェクタ、IGコイルのコネクタを外すよう説明しておいた。
この回路を見た時、最も怪しいと思ったのはウォータポンプである。
ただ、冷機時にも通電するものなのかがわからなかった。
(ABSみたいにイニシャルチェックをしている可能性もある。)
とにかく順番に点検してショートが無くなるかを点検してもらった。
結果は、インバーター用ウォータポンプのコネクタを外すとショートが無くなったそうである。
インバーター用ウォータポンプの単体点検をするとほぼ0Ωだったようである。
キーONにもならずにスキャンツールも使えないとなると、どうやって点検すればいいの?って悩んだが、なんとか原因究明が出来て安心した。
つづく