緩加速時にエンジンが吹き上がらなくなるという平成18年式スイフト(ZC11S、M13A)が同業者から依頼された。
不具合は暖機途中だけに発生するという。
半年ほど前にIGコイル、今回はプラグを交換している。
データーモニタしながら試乗すると、60℃くらいの時に症状が発生。
発進して2速になる時くらいに、明らかにエンジンのパワーが無くなり加速しなくなった。
2,3秒その状態が続いたと思ったら加速を始めた。
その時のO2センサーはリーンで、A/F補正値は増量側に移行していた。
ただし、アクセルペダルを強く踏むと症状は出にくい。
その後、5分間に何度か不具合が発生したが、完全暖気後には症状が出なくなった。
データーや不具合の感じといい、どうも燃料不足が疑われた。
怪しいのは燃圧なので、燃圧計をセットして試乗した。
しかし、不具合発生時も約3㎏/cm2あり問題なかった。
次はエアフロだが、見るとトヨタのエアフロと同じものが付いていた。
この手のエアフロは何度も記事にしたように、リーン側に特性がずれる傾向にあるので原因として考えられる。
特性が同じかどうかを確認するために、暖気後の正常な状態でのアイドル回転、1000回転、2000回転、4000回転の時の吸入空気量を測定し、ストックしてあるトヨタのエアフロに交換してみて、数値を比較してみた。
すると、スズキのエアフロもトヨタのエアフロもほぼ同じ数値だった。
トヨタのエアフロでも使えそうなので交換してみたが、これでも不具合は発生した。
エアフロでもなかった。
関係ないだろと思ったがO2センサーのコネクタを抜いてみたが変わらず。
スロットルセンサや水温センサーも調べたが問題なかった。
点検した以外で燃料系となると、少し前に紹介した吸気系のスラッジくらいしかない。
ただ、症状が何となく違う。
特にこの車の場合は、突然悪くなるし突然良くなるのである。
悪い時の時間は1秒の時もあれば、長いと4秒くらい続く。
吸気系のスラッジの場合、全体的に吹き上がりが悪く、その中でもアクセルペダルの踏み込み始めが特に悪いという感じなのである。
本当に燃料系なのか?
つづく