始動性がかなり悪く、始動出来てもアイドリング回転が500回転くらいしかないという平成16年式ワゴンR(MH21S、K6A)
症状を確認すると、ほとんどが始動出来ない。
たまに始動出来るが、始動できてもアイドリングがやっとで、アクセルペダルを踏んでも1000回転くらいしか吹き上がらない。
失火というより、バルブタイミングが大幅にずれているという感じである。
基本である、火花点検、燃圧、インジェクタの作動音、圧縮圧力を点検したが、すべて問題なかった。
通常であれば、これらが正常であれば、あとはバルブタイミング(チェーンのズレやVVTの不良)やバルブクリアランスの点検が必要だが、このK6Aエンジンでは先に点検しなければならない項目がある。
それは、過去に経験した不思議な体験があるからである。
特定シリンダのミスではないが、アクセルペダルを全開にしてもほとんど回転が変化しないという事例。
アクセルペダル全開で吸入空気量が増えて、それに見合う燃料がでれば回転は必ず上がるはず。
仮に、吸入空気量に見合う燃料が出ていなければエンストするはずなのに、ほとんど変化しないという不思議な事例があった。
今回は1000回転くらいまではあがるが、その時の状況によく似ている。
さっそくクランクプーリーを点検すると予想通りであった。
このエンジンはクランクプーリーにクランク角センサー用ローターが一体となっているために、エンジン本体の機械的な部分は正常だが、機械的な位置とECUが判断した位置にズレが生じていたのである。
よって、明らかにズレたタイミングで燃料が出たり火花が飛んでいたものと思われる。
ターボ車はサービスキャンペーンが出ていたようだが、NAもこれだけトラブルがあれば対象にしなけりゃいけないと思うのだが・・・・・。