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ハザード誤作動/クラウン

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ハザードが勝手に作動する平成19年式クラウン(GRS1805GR
 
勝手に作動するといっても、高速で不規則に点滅する場合と、通常の速度で規則正しく点滅する場合がある。
 
症状を確認し、いろいろと試してみた結果、どちらかというと、エンジン始動後は不規則に、キーON時やOFF時では規則正しく点滅していることが多かった。
もちろんハザードスイッチはOFFである。

また、時には作動しない正常な時もあった。
 
おまけに各種警告灯も点灯したままになっている。
しかし、点灯しているランプのシステムのダイアグは正常コードしか出なかった。

(始動後、キーOFF,キーON,エンジン始動、キーOFFと様々な操作をしています。)
 
 
ハザードの回路を調べると単純な回路だが、ウィンカーに関してはコンビネーションスイッチECUとマルチプレックスネットワークボデーNo2ECUは多重通信で通信を行っていた。
 
まずはハザードスイッチを抜いてみたが作動は止まらなかった。
 
次に、ターンシグナルフラッシャASSY(フラッシャーリレー)を抜くと作動は止まった。
何かの理由でフラッシャーリレーが作動しているようだった。
 
次にターンシグナルフラッシャASSY(フラッシャーリレー)部の端子電圧を測定すると、ハザードスイッチOFFで、高速で不規則で点滅していようが普通の速度で規則正しく点滅していようが、ユニットの電源、アース、及びフラッシャー用信号は問題なかった。
 
ハザードスイッチ信号は、スイッチOFFで約10V、スイッチONでほぼ0V
 
ONOFFでは明らかに電圧差があった。
 
こういった電圧になるということは、フラッシャーリレーから出している電圧をスイッチでアースに落として信号にしているタイプである。
 
特に問題なそうだがちょっと気になる点がある。
 
一般的にこのタイプのスイッチは、OFF時はバッテリ電圧が出るものである。
 
それが10Vと少し低い。
 
ただ、スイッチ信号はハイかローで判断するだけなので10Vであればハイと判断するので問題ないような気がする。
 
測定前には、この信号が原因で、スイッチOFF時に5V以下になっているのではないかと推定していたのである。
 
何かおかしいと思いオシロスコープでスイッチ信号を点検することにした。
すると予想もしなかった波形が現れた。
 
イメージ 1

これはキーONでハザードスイッチがOFFの波形。
上がウィンカーへの出力信号、下がハザードスイッチ端子の波形。
ウィンカーはハザードが正常に点滅している状態。


 
ハザードスイッチ端子は10Vの電圧に多重通信の信号のような波形が加わっているのである。
 
 
まさかハザードスイッチとリレーが通信しているなんて有りえない。
 
どう見てもMPXの通信線と線間短絡しているようだった。

これが原因でハザードが作動するのかは不明だが、通信線側にも影響が有るはずなので、このせいで警告灯が点灯する可能性はある。

とにかくこの信号が正常とは思えないので原因を調べることにした。


 
ハザードスイッチ信号は下の写真のように「パA」のコネクタ経由でリレーにつながっている。
 
イメージ 2
 
仮に線間短絡しているとすれば、怪しいのはここの部分である。
 
資料を調べると「パA」コネクタは助手席のカウルサイド内にあるインストルメントパネルJB ASSY(パッセンジャーサイド)部にあった。

 
この部分にはマルチプレックスネトワークボデーコンピュータがあり、各システムとの通信を行ってる。
その部分のJB(ジャンクションブロック)であり、多くのコネクタが入りみだれている。


これでますますこの部分が怪しい。

 
「パA」コネクタはマルチプレックスネトワークボデーコンピュータの左側にある。
 
イメージ 3
 

なみに右側面には10個前後のコネクタがある

仮に線間短絡しているとすれば、錆びの発生や水などがあるはずなので「パA」コネクタを探して抜いてみた。


つづく






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