ハザードが勝手に作動するクラウン。
ハザードスイッチ信号と通信線が短絡している可能性がある。
スイッチとリレー間にある「パA」コネクタを調べると、コネクタ内のあちこちに錆が発生していた。
ハザードスイッチの端子などを抜いて清掃すると、スイッチOFF時の端子電圧は約12Vになりノイズもなくなった。
もちろんハザードは点滅しなくなり正常になったのである。
数日間、様子を見たが不具合が発生しないので納めることにした。(現時点で、2か月ほど経過)
原因は錆びによる線間ショートと思われるが決定的な証拠はない。
また、錆の原因も定かではないので、雨漏り対策だけはしておいた。
本来であればハーネスの交換が必要と思われるが予算の関係で、清掃だけとなった。
とりあえず良くなったのだが、どうもスッキリしない。
原因は特定でき、症状も出なくなったのだが、大きな疑問が残ってしまった。
前回の記事にも書いたが、通常、アースに落とすタイプのスイッチ信号は、スイッチOFFでハイ(12V)、ONでロー(0V)というのが一般的である。
そのハイとローのしきい値(どちらか判定する境目の値)は、アースに落とすタイプはハイの電圧の半分以下くらいではないかと思っていた。
(アースするタイプは、ON時、本来0Vになるはずだが接点の接触不良が起こるので、2,3VでもONと判断しなければならない。よって、しきい値はあまり小さな値にはできないので5,6Vと思っていた。)
逆に電圧を供給するタイプはハイの電圧の半分以上ではないかと思っていた。(前述の場合と同じような考えで、7,8Vくらい。)
それが今回のトラブルは本来12Vじゃないといけないのに10Vだったためにローと判断したということになる。
しきい値は10V前後なのか?
どうも納得が出来ないので検証実験を行うことにした。
ハザードスイッチ端子の電圧を徐々に下げるために、この端子に可変抵抗を入れ、抵抗を徐々に変えてみた。
すると、10V前後ではハザードは高速で点滅し、8V以下では正常に点滅を始めた。(共に、キーON、ハザードスイッチOFF)
ということはしきい値は約9Vくらいと推定される。
10V前後の時に高速点滅する理由は不明だが、しきい値付近での電圧変化(ハザード点灯でバッテリ電圧の低下、消灯で上昇)によるハンチングかもしれない。
これでなんとなく高速点滅と普通点滅の違いがわかった。
ということは、エンジン始動後は、バッテリ電圧が上がり、それにともないハザードスイッチ端子電圧も10V前後になり高速点滅、キーONでは発電しない分、エンジン回転中よりバッテリ電圧が下がるので、ハザードスイッチ端子電圧も9V以下くらいになり規則正しい点滅になっていたようである。
これですっきりしたと思い車を納めたのだが、やはりすっきりしない。
おまけにまたまた疑問が発生。
それは、「アースに落とすタイプなのに、しきい値がこんなに高くてもいいのか?」ということである。
実験結果からは、しきい値が約9Vくらいと推定される。
仮にそうだとすると、正常な車で、バッテリが弱ってる車は、クランキング時にバッテリ電圧が9V以下になった時にハザードが点滅しないのか?
こういった疑問が湧いたのだが、すでに車は納めた後であり追加の検証はできなかった。
と思っていたが、今回の記事を書くのに、保存していた波形を見ていたら、クランキング時の波形が残っていた。
この波形はまだ不具合が出ていた時の キーOFF-キーON-クランキング-アイドリング の時の波形である。
(矢印の位置はおおよその所)
キーOFF時は8V位で普通点滅をしているが、クランキング時は、それよりも低い電圧なのに点滅も点灯もしていないのである。
(始動後は、10Vくらいで高速点滅している。)
単純に電圧だけで作動させるのであれば、クランキング時は、キーON時の8Vより低い6~7Vなので普通点滅しそうであるが、実際には作動していない。
リレーには常時電源とIG電源が来ているが、クランキングかどうかは判断できない。
よってクランキング時に作動させないなんてできない。
それにハザードはIG電源に関係なく作動するはず。
もしかすると、単純にハザードスイッチ端子の電圧だけで作動させるのではなく、リレーの電源電圧との差圧を見ているのであろうか?
ご存知の方がいれば教えてください。