ISCVを交換して良くなったものと思っていたが、再始動を数回繰り返すと全くかからないことがあった。
あれっ?と思い、何度か繰り返すと、10回のうち2回ほどエンジンがかからない現象が発生。
しかし、エンジンがかからなかった時でも、その次のクランキングではエンジンはかかった。
入庫時のかかりそうでかからないという症状と明らかに違い、全くかかる気配がない。
おかしいと思いダイアグを点検すると、クランク角センサーとカム角センサーを表示。
この2つのコードは入庫時にも記憶していたコードである。
本当に異常なのかを調べるために、オシロスコープで2つの信号の波形を調べた。
しかし、始動できる時と出来ない時の波形に違いが見られない。
ハイ側の電圧、ロー側の電圧、信号の数、パターン、どれも2つの信号に問題があるとは思えなかった。
あとは2つの信号に異常があるとすると、それはバルブタイミングのズレである。
VVTによる位相ズレも考えられるので、クランク角センサーとカム角センサーのタイミング(波形のズレ)も調べてみた。
しかし、正常時と異常時でズレているとは思えなかった。
なぜ、エンジンがかからないのか?
なぜ、ダイアグで2つのコードがでるのか?
まったくわからない。
エンジンがかからない時に、アクセルペダルを踏んでも、全く爆発の気配がない。
パーツクリーナーを吸わせても変化なし。
入庫時の再始動不良とは全く違う。
火花も飛んでいないように思えたので、火花点検とインジェクタの作動音を調べようと思ったが、点検を続けている時に、あることに気がついた。
それは、エンジンを止めて、再始動させるまでの時間が短い時に始動不能という現象が起こるということである。
時間で言えば、キースイッチをOFFにして、0.5秒以内(もっと短いかもしれない)に再始動させたときに不具合が出る。
試しに再始動までの時間を色々とかえて試してみたが、必ず短い時だけに発生することが分かった。
通常、こういった再始動は行わないので、これはトラブルではなく、もしかしたらこういった制御ではないかと思えた。
もしそうだとしたら、2つのダイアグコードが出ていたこともなんとなく想像できる。
(キーOFF時、すぐに再始動させると、ECUは再始動と判断出来ずにクランク角センサーとカム角センサーが無くなったと判断するのかもしれない。)
また、この2つの異常コードが出るまでのクランキング時間を調べていたら、5秒以上クランキングすると再始動出来ることがわかった。
何度試しても同じである。
まとめると、キーOFF後、0.5秒以内にクランキングすると、エンジンがかからない。
その状態が3~4秒続くと2つのダイアグコードを記憶。
更にクランキングを続け、クランキング開始から5秒以上経過するとエンジンがかかる。
たぶん、プログラムの関係ではないかと思われる。
同じくらいの年式のK6Aエンジンがあれば試してみたがったが、残念ながら入庫していなかった。
1秒以上の時間をおいての再始動では1度も不具合が出なかったので、これで引き渡すことにした。
つづく