走行中に半ドア警告灯が点灯するがブレーキペダルを踏むと消えるという平成21年式プリウス。
症状は1度は確認できたが、その後は正常になってしまった。
とにかく症状が出るのを待つしかないのだが、ずっと気になっていたことがある。
それは、半ドア警告灯が点灯している時に、ブレーキを踏んだらよくなるという事。
事前に電話での相談を受けていたので、可能性を考えていたのだが、回路と症状からある仮説を立てていた。
半ドア警告灯が点灯したという事は、どれかのカーテシスイッチの端子電圧が小さくなっているはずである。
通常は、ドアを開けることによりカーテシスイッチがONしアースに落ちるのだが、今回は全てのカーテシスイッチのコネクタを抜いても警告灯が点灯していたという事でカーテシスイッチ自体の可能性はない。
可能性としてはカーテシスイッチ回路の配線がアースとショートしていたということである。
しかし、この場合、ブレーキを踏むと症状が無くなるということに関しての説明ができない。
こうやって考えると可能性は1つ。
それは、カーテシスイッチの回路と、ストップランプ(実際はLED)回路のショートである。
カーテシスイッチの回路は、ボデーECUから抵抗を介して12Vを出力している。
よって、カーテシスイッチは、ドアを開けるとONしてアースに落ちるので端子電圧は0V、閉めるとOFFなので12Vである。
仮に、ドアが閉まっている状態で、カーテシスイッチの配線とストップランプの配線がショートすると、カーテシスイッチ回路はストップランプ回路を経由してアースに落ちる。
カーテシスイッチ回路はECU内にかなり大きな抵抗を介しているはずなので、ストップランプ回路のように小さな抵抗の回路とショートすると、カーテシスイッチ端子電圧は小さくなるのでドアが開いたものと勘違いし半ドア警告灯が点灯する。
その状態でブレーキペダルを踏むと、ストップランプには12Vの電圧がかかる。
すると、ストップランプの配線とショートしてるカーテシスイッチ回路の電圧も12Vになり、ドアが閉まっている状態と同じ12Vになるので警告灯は消える。
こういうことが推定される。
仮にこの状態が起こるとすると、ブレーキランプ回路とカーテシスイッチ回路が近いところで起こっているはず。
そう考えれば、当然だが、バックドアのカーテシスイッチ回路が怪しい。
バックドアを開けてから正常になったことからもバックドア付近が怪しい。
配線図でブレーキランプの回路とバックドアのカーテシスイッチ回路を調べると、なんと、ある共通のコネクタがあることが分かった。
それはリヤ左クォータパネルにある、P21、P22コネクタである。
カーテシスイッチはバックドア用のスイッチ回路である。
これでいよいよ怪しくなった。
つづく