テールランプ球切れ警告灯が点灯するという平成12年式クラウン(JZS171、1JZ)
「実は8年ほど前の事例で、残っていたカルテやメモなどを元に記事を作成しています。記憶もあいまいな部分がありますし、詳細なこともわかりません。ちょっと作文しています。(^_^;)」
まずはこの車のテールランプの構造を説明。
片方のテールレンズには3個のスモールランプがあり、外が5W/21Wのダブル球、中も5W/21Wのダブル球、内は5Wのシングル球。
スモールランプが3個でストップランプが2個点灯するようになっている。
もちろん5Wはスモール用で21Wはストップ用。
症状は、エンジン始動後、スモールをONすると、左側のスモールは3つとも不灯。
右は3個とも点灯するが、数秒後、左側のテールも右側のテールも共に中央と外側のスモールが点灯するという、摩訶不思議なトラブル車。
まずはスモールONで点灯する右側の外のランプで電圧を点検。
スモールをONにすると5Wに12Vの電圧がかかり点灯するが数秒後0Vになった。
しかし、0Vになったのに見た目ではスモールが点灯している。
電圧がかかっていないのに光るなんて有り得ない!!
有り得ないが点灯しているのは事実なので21W側で点検すると約4Vの電圧がかかっていた。(アナログテスタ)
どういうこと?
スモールON時は、5W側は12Vかかっているのに数秒後に0Vになり、21W側は、スモールON時は0Vなのに、数秒後に4Vの電圧がかかるようになっていた。
中側のランプで点検しても同じことが起こっていた。
訳が分からないので、解説書で確認すると、前回紹介した「テールランプ代替機能制御」なるものがあることがわかった。
この機能は、スモールランプに断線が生じた時に、ストップランプにデューティ制御した電圧を印加し、ストップランプをスモールランプ並みの明るさになるように制御しているのである。
ストップランプの信号の波形を調べると、確かにデューティ制御している波形が撮れた。
ただし、この制御はエンジンがかかっている時にしか働かないので、どのランプが断線しているかはキーOFFで調べればいいはずである。
ということで、キーOFFで点検すると、右側の3つのスモールはずっと点灯したままだったが、左側の3つのスモールは全て消灯したままだった。
左側に不具合があるようなので調べると、スモールランプにかかる電圧は全て0Vだった。
スモール及びストップランプへの信号は「パッセンジャーサイドJ/B ECU」から出力されているようになっていたので、ECU部でも調べたが、やはり0Vだった。
ECUからランプへの通電がないということなのでECU不良と判断した。
念のため、左右の全てのスモールとストップランプを調べたが、断線はなかった。
自信を持って新品のECUに交換したのだが・・・・・・。
つづく