走行中にスピードメーターが動かなくなり、複数の警告灯が点灯するというラクティス(NCP1001NZ)
原因は、各システムのダイアグと症状から、ABS・ECUが突然ダウンしていることが推定された。
ECUがダウンする原因は、ECU自体の不良か、電源またはアースの不良である。
配線図でECUの電源を調べるとABS1(50A)、ABS2(30A)、ECU-IG(10A)の3つのヒューズが関係していた。
どの電源が関係しているのかを確認するために、1つずつ抜いてみた。
すると、ABS1とABS2はモーター電源とソレノイド電源であり、それぞれのヒューズを抜くとそれぞれのダイアグを表示した。
しかも、スピードメーターは動くし、ABS以外のシステムの警告灯は点灯しなかった。
よって、この2つの電源系は関係ないことになる。
もう一つのECU-IGを抜くと、不具合現象と同じになった。
電源に問題があるとするとこの系統と思われた。
ただし、ヒューズを入れると正常に戻った。
電源が供給されていないときだけに症状が出るのである。
しかし、実際の不具合は、悪くなるとずっと症状が続き、キーOFFにするまで症状は続くのである。
それが、一旦、キーOFFにし再始動すると必ず良くなっていた。
このことからは、ECU-IGヒューズ系の電源の可能性も低い。
(たまたまキーOFFのタイミングで電源またはアースが復帰するのかもしれないが、その可能性は限りなく低い。)
よって、ECUの不良の可能性が高まった。
念のために、この電源・アースとメーターへの車速信号もオシロで調べることにした。
走行すると不具合が発生。
その時の電源(上)と車速信号(下)。
拡大すると
電源・アースは問題なく、車速信号がいきなり出なくなった。
通常の停車時は、停車直前の車速信号(メーターへの出力信号)の幅が徐々に広くなるものであが、この波形はいきなり0km/hになっている。
間違いなくECU不良である。
リヤ右のスピードセンサーとECUを交換し終了。